終活セミナーに行こう

「終活」に不安を抱く人は、専門家が行う「終活セミナー」に参加しよう。老後資金、相続、介護医療、遺言書、葬儀、お墓などテーマもさまざま。短時間で知識が深まり、疑問も解け、同じ悩みを持つ人とも知り合える。終活セミナーの取材レポートをお届け!

終活への心構え

人生100年時代、わくわく生きるのに知っておきたい終活の話
取材協力・写真提供 株式会社 花駒
まず臨終の事を習うて、
のちに他事を習うべし 
日蓮
学問を学ぶ前に、人は必ず死ぬ、人生は有限であると最初に心得なさいという日蓮聖人の教え。昔の人の平均寿命は40代。病や戦で人はすぐ亡くなり、死はもっと身近な存在。それが現在のように寿命が長くなると、死は遠いもので怖い存在になった。
今こそ「生きることは、逝きること」と認識し、死への理解を深めよう。
●終活とは何?
終活は、人生の終わりに向けて、自分がどうしたいかではなく、何を残し伝えていくかを考え、前向きに実行すること。それは家や財産だけでなく、家々で大切にしてきた習慣や価値観こそ残すべきものだということ。
●健康寿命を延ばそう
平均寿命と自立した生活を送られる健康寿命との差は、男性で約9年、女性で約12年。理想は入院や施設に入ってから死ぬまでの期間が短い「ピンピンコロリ」。社会と繋がり、趣味や生きがいを見つけよう!

老後資金

サードライフに向けてのマネーセミナー
取材協力 FP / IFA 三枝 貴三子氏
●ゆとりのある生活に必要な夫婦2人 老後資金
・夫婦2人で月々  37.9万円
・65歳~85歳の20年間
 月37.9万円×12か月×20年= 
9,096万円
※公益財団法人 生活保険文化センター 令和4年度「生活保障に関する調査」
●介護に必要な費用と介護期間
・月々の介護費用/1人当たり
 平均 8.3万円
・在宅介護の場合 平均 4.8万円
・施設介護の場合 平均 12.2万円
【介護期間 平均 61.1か月(5年1か月)】
※公益財団法人 生活保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」
人生が多様化 
セカンドライフの
先のサードライフ
人生100年時代と言われるように、寿命が伸びるにつれて老後の人生が多様化。最近では健康的に生活ができる「セカンドライフ」の先で、何らかの形で支援が必要になる介護生活の期間を「サードライフ」と呼ばれるようになってきている。
上記の老後資金から年金受給額を差し引いた不足分については準備が必要だ。介護費用は介護サービスを利用した時の自己負担額と日常にかかる費用の合計の平均で、公的な介護保険制度を利用してもこれだけのお金がかかる場合がある。老後の生活資金に加えて「サードライフ」に向けた備えが必要だ。
セミナーでは、加入している保険の見直しや生活費の節約のコツ、資産運用などについて学べ、個別相談にも応えてくれる。

墓じまい

[法務無料相談会&知識セミナー]
急ぎすぎない! 後悔のない改葬・墓じまい
取材協力 
公益社団法人
コスモス成年後見
サポートセンター奈良県支部
・バディ行政書士事務所
無理に「墓じまい」を
する必要はない
子どもに迷惑をかけたくない親心から「墓じまい」を決めるケースが多いが、必ずしも子孫のためになるとは限らない。残された人にとっては、先祖と会える墓の存在は大切。また、後から親戚同士で揉めた、菩提寺に法外な離檀料を請求されたといった「墓じまい」のトラブルも多い。
墓じまいは、急いで独断で進めないこと。例えば分骨で解決できる場合も。関係者とゆっくり時間をかけて話し合うことが肝要だ。
・墓じまい…墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去。遺骨は合葬墓や納骨堂などで供養。
・改葬………墓石から遺骨を取り出して、別の新しいお墓へ移すこと。
・分骨………墓から故人の遺骨の一部を取り出し、別の場所で供養すること。

不動産相続

知らないと損をする⁉ 不動産の相続登記の義務化
取材協力 泉屋メモリアルホール
ライフサポート事業部
●空き家に指定されると固定資産税が6倍!
●空き家売却で利益3千万円特別控除が無効になる場合も。
※無住で3年経過して売却、利益が出ても適応不可
空き家のリスク
放火による火事の恐れも
不動産の相続登記が義務化
2024年4月1日から不動産の相続登記が義務化され、不動産の取得を知った日から3年以内に登記申請しないと、過料(10万円以下)の対象になった。登記手続きを司法書士に頼むと約10万円の手数料がかかるが、過料は逃れられる。
※施行日以前に相続した不動産にも遡及適用されるので要注意!
※2027年3月31日までに要申請
所有者不明の土地面積は
九州のサイズを超えている!
所有者不明の土地面積が九州の面積を超えた(日本全土の10%)現在、空き家のリスク(ハザードマップ作製や防災、治安の悪化、都市開発・復興等への支障、経済活動への悪影響)を減らすための施策だ。
現在さまざまなテーマで各社がセミナーを開催している。不動産相続のことまで、葬儀社がアドバイスから手続きまで行うサービスも始まっている。
ぜひネットの情報だけでなく、専門家から直接話を聞こう。また普段から無料相談ができる場合も多い。終活で不安があれば足を運んでみよう。
〔主催〕
 自治体、社会福祉協議会、士業、ファイナンシャルプランナー、葬儀社、企業など
〔料金〕
 無料が多いが有料もある
〔注意点〕
 主催者・講師が信頼できるか? 実体や実績は? 参加費は? 入念に調べよう
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