二十四節気|小雪

二十四節気でめぐる奈良の風景

「奈良ごよみ NARA-GOYOMI

悠久の歴史と文化が息づく古都・奈良では、1年を通じて変化に富む自然の風景、長い歴史文化に基づく数多くの祭礼や行事、旬の食材に恵まれています。そんな四季折々の「奈良」を二十四節気ごとにご紹介いたします。

古代中国でつくられた季節の区分法で、太陽の動きにあわせて1年を24に分けたもの(一つの節気は15日程度)。季節の訪れをひと足先に察知することができ、天候によって左右される農作業の指針として今でも使われています。
そして、二十四節気をさらに3等分し、季節の風物を表したものが「七十二候」。
それぞれに美しい名前が付けられており、四季よりも細かな季節を文字でも楽しみ、感じることができるのです♪
(今では新暦(太陽暦)が使われているので、現代の四季と二十四節気による四季には少しずれがあります)

二十四節気

小雪 しょうせつ

11月22日~12月6日頃

「二十四節気」の20番目の節気。木々の葉が落ち、北海道や東北などでは初雪が舞い始める頃です。『小雪』とは小雪がちらつき始めるという意味。冬とはいえ、雪も寒さもまだ少しであることから「小雪」と言われたのだそう。次第に冬らしさを感じられるようになる頃です。
七十二候:第58候

虹蔵不見
(にじかくれてみえず)

11月22日~11月26日頃

昼の時間が短くなり、日差しも弱く曇り空の日も多くなります。 薄鈍色の冬の空を見上げながら、ふと、虹を見る日もほとんどなくなったと感じる心を季節の名前にした、この言葉。 いっぽうで俳句には「冬の虹」という季語もあるのですが、寒々とした雨が上がった晴れ間に、ひょっとめずらしいものに出会った、そんな新鮮さを含む儚さと、かすかな希望が込められている言葉です。
photo:「天空の世界にたたずむ」(宇陀市仏隆寺付近)© 澤戢三
七十二候:第59候

朔風払葉
(きたかぜこのはをはらう)

11月27日~12月1日頃

毎日少しずつ存在感を増してきた冷たい北風が、木の葉を散らしてしまいます。朔風とは北風のことで、木枯しを指します。葉を落とし、裸になった木々は冬木立(ふゆこだち)といい、いかにも冬らしくて寒々しい印象です。土に落ちた木の葉は「望み葉 (のぞみば)」といい、土の中で肥料となり、めぐりめぐって春を迎える植物の栄養となります。
photo:「奈良公園 落ち葉の絨毯(じゅうたん)」© 澤戢三
七十二候:第60候

橘始黄
(たちばなはじめてきばむ)

12月2日~12月6日頃

橘の実が黄色く色づく頃です。古事記や日本書紀において、「非時香実 (ときじくのかくのみ)」として登場するのが橘といわれています。また、京都御所・紫宸殿(ししんでん)前の「右近の橘」は、日本原産の柑橘類とされるヤマトタチバナ種で、文化勲章はこの花をかたどっています。
photo:橘街道 ©︎ なら橘プロジェクト推進 協議会
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