二十四節気|霜降

二十四節気でめぐる奈良の風景

「奈良ごよみ NARA-GOYOMI

悠久の歴史と文化が息づく古都・奈良では、1年を通じて変化に富む自然の風景、長い歴史文化に基づく数多くの祭礼や行事、旬の食材に恵まれています。そんな四季折々の「奈良」を二十四節気ごとにご紹介いたします。

古代中国でつくられた季節の区分法で、太陽の動きにあわせて1年を24に分けたもの(一つの節気は15日程度)。季節の訪れをひと足先に察知することができ、天候によって左右される農作業の指針として今でも使われています。
そして、二十四節気をさらに3等分し、季節の風物を表したものが「七十二候」。
それぞれに美しい名前が付けられており、四季よりも細かな季節を文字でも楽しみ、感じることができるのです♪
(今では新暦(太陽暦)が使われているので、現代の四季と二十四節気による四季には少しずれがあります)

二十四節気

霜降そうこう

10月23日~11月6日頃

「二十四節気」の18番目の節気。霜が降りるころという意味。暦の上では、秋の最後の節気となり、霜降が過ぎると、冬がやってきます。山で木々の葉が色づくころ、寒冷地では霜が降り始め、冬が近づきます。また、「霜降」の節から「立冬」までに吹く北風は「木枯らし」と呼ばれます。
七十二候:第52候

霜始降
(しもはじめてふる)

10月23日~10月27日頃

北国からだんだんと初霜が降り始める頃です。霜は空気中の水蒸気が氷点下に冷えたものに触れてできる氷の結晶で、風が弱くよく晴れた夜に降りやすく、翌朝、外に出ると草木や地面にうっすらと氷の結晶が付いている様子が見られます。”降る”と表現しますが、霜は、夜から朝にかけて急激に気温が下がるとき、空気中の水蒸気が冷えて氷の結晶になったものです。実際は空から降りてくるわけではありません。
Photo:「霜が降りた春日大社 飛火野」© 林智美
七十二候:第53候

霎時施
(こさめときどきふる)

10月28日~11月1日頃

秋雨のようにしとしと降り続くのではなく、ぱらぱらと滴(しずく)を散らしてじきに止んでしまうような「時雨 (しぐれ)」が降りはじめる頃。朝時雨、夕時雨、小夜時雨など、振り出すその時々で呼び名があるようです。秋雨は、台風と相まって大雨となる事もあり、表情が変わりやすく、寒暖の差にも注意が必要です。
Photo:「秋の小雨」© 辰巳利之
七十二候:第54候

楓蔦黄
(もみじつたきばむ)

11月2日~11月6日頃

楓(かえで)や蔦(つた)の葉が山々の上の方から麓へと次第に黄葉する頃です。山が紅葉によって色づく様子は、「山粧う(やまよそおう)」とも表現され、春夏秋冬の季語として「山笑う」「山滴る」「山粧う」「山眠る」のセットで使われます。見頃は葉が色づき始めてから3〜4週間後。この楓蔦黄を終えると、二十四節気では立冬を迎えます。つまりこの5日間が暦の上での最晩秋となるのです。
photo:「紅葉の中にたたずむ東大寺大仏殿」© 澤戢三
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