第12回山寺おしょうのお悩み相談|亡くなった両親のことが気になる

【お悩み】亡くなった両親のことが気になる

亡くなった両親のことが何か気にかかります。仏教を特に信心しているわけではないし、次男で家に仏壇もないのですが、毎日拝んだ方がいい言葉や作法など、何か手立てはありますか?

(天理市、まいまい)

気になるのは当たり前だと思います。

私たちはご縁の中に生きているのです。血のつながりに関係なく、人との出会いはどのような形でも、原因があるのです。
前世からの縁(不思議と馬の合う人)、父母の縁(父母の仕事や友達関係の人たち)、ご先祖さまの縁(自分の体質・DNAなど、また親戚など)、名前の縁(同じ名前の人は気になりますね)、生まれた日の縁(誕生日が同じ人は気になります、星座も同じとか)、場所の縁(生まれた国や地域、育った場所などが同じだと共感することが多い)、言葉の縁(母国語、方言が同じだと仲良くなります)、好き嫌いの縁(スポーツや食べ物や趣味)、数えきれない程に縁があり、その縁により幸せや不幸、喜びや苦しみ、健康や寿命があるのです。
だから仏教ではそれを大切にするように教えがあるのです! 気になるのは、大切にしていないから、大切にする方法を知らないからです。縁というのは必ず相手があるのです。ということは相手の気持ちになることが大切なのです。
きっと亡くなられた方は供養されたい、手を合わせてほしい、思い出してほしいと思っているはずです。どんな人でも、この世の中全ての人から相手にされない、忘れ去られた存在になったらどうでしょう! 生きるのもつらくなり死にたいと思うでしょう。
植物や動物でさえ、その存在を主張し、周りと共に生きています。雨が降らない、太陽が出ない、空気がない、そんな世界では生きていけないのです。
魂という存在になっても同じです! その存在を認めて思いをかけることが重要です。
お釈迦様は2500年前にそうして迷う人や魂のため、教えを説いたのです。因縁とか因果応報とかをよくする方法として仏壇(仏様を祀る場所)を置き、お墓にお参りして、お線香やロウソクをあげ、毎日手を合わせることを教えているのです。
必ず心が落ち着き、今生かされることに感謝ができ、ご縁を大切にできるようになります。そうして家族や周りに幸せと健康が訪れます!
できることからしてくださいね。まずは写真を置いて、お茶でもお供えして、手を合わせてください。自分の家の宗旨を調べて、真言宗なら南無大師遍照金剛なむだいしへんじょうこんごうとか、浄土宗なら南無阿弥陀仏なむあみだぶつとか、禅宗なら南無釈迦牟尼仏なむしゃかむにぶつとか、日蓮宗なら南無妙法蓮華経なむみょうほうれんげきょうとか唱えてみるのも良いでしょう。何かが変わりますよ。
回答者

大塚 知明 師

真言宗醍醐派妙法寺(大師山寺)住職
当山派修験大先達
ならどっとFM78.4MHzにて「山寺おしょうのラジオ法話」を放送中!
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