第10回山寺おしょうのお悩み相談|他人が妬ましいです

【お悩み】他人が妬ましいです

私は他人がうまくいくことを素直に喜べません。つい妬ましく思ってしまいます。そんな自分が嫌だなと思うのですが、コントロールできません。どうすれば気にならなくなりますか? 

(奈良市、18の春)

妬む心は誰にでもあるもの
その人を好きになりましょう

他人を妬む心は誰もが持っている心です。特に自分が不安になっているときに強く現れます。嫉妬心は悪い存在と考えるのが正しいですが、しかしうらやましいと思うからあんな風になりたいと向上心につながるのも事実です。

なぜ妬ましいと思うかは2つあります。1つは相手を嫌いと思う心。どんな人も必ず相性の良くない人や馬があわない人はいるものです。そんな人が賞を取ったり目立ったり成功したりしたりするとすごいと思う反面、嫉妬心から悪くなったらいいのに、けがをしたらいいのになど考えるところもあるのが人の心だといえます。それが大切な友達や好きな人ならきっと心から一緒に喜べるでしょう。

2つめは、同じ立場や境遇だからです。妬ましいと思う他人はどこかでその人と自分を比べて同じと思っている部分があるからです。同じように勉強してきたのに、同じように練習してきたのに、同じように人と付き合ってきたのにと、だいたいが同じレベル、境遇の人が良くなるとうらやましく思うのであって、まったく違う存在なら嫉妬心は出てこないと思います。

ということで、嫉妬心をなくすのはまず他人を好きになること!そのためには、人の良いところを見つける訓練をしてください。どんな時も周りの人を見て、この人の良いところはどこだろうと考える癖をつけるのです。好きにならなくてもこれだけで嫌いと思う心は軽減されます。

まず相手を知りましょう。同じ立場と思っていても必ず違いはあります。努力の仕方や環境、見た目、違いはたくさんあります。それこそがうまくいくかいかないかの違いだと思います。

そしてきっとこの人はたくさん努力している人だと思って自分も努力することです。またその人にはできない努力をするのもいいことです。レベルアップを目指してください。自分自身に自信が生まれた時には嫉妬心はいつのまにか消えていますよ。

他人を知り、自分の存在を認め、常に他人は他人、違うんだ、私は私にできることがあるんだと言い聞かせて、今の自分は幸せだと思い満たされること、安心することが肝心です。

気を付けてください。お釈迦様はこんな時、因果応報と言われました。悪いことを思うと悪いことがあり、良いことを思うと良いことがある。うらやましいと思うのは仕方ないですが、それにより妬むことを言ったり悪い行動をしたりしないでください。お釈迦様を妬んで殺そうと思ったダイバダッタは爪に毒を塗ってお釈迦様に飛び掛かり、その毒で自分の命を失ったそうです。

成功している人はどんな人でも手をたたいて賞賛しましょう。そうすることで自分が成功したときに必ずみんなが喜んでくれるようになります。良いところを探して認め合う心が一番です。努力してください。

回答者

大塚 知明 師

真言宗醍醐派妙法寺(大師山寺)住職
当山派修験大先達
ならどっとFM78.4MHzにて「山寺おしょうのラジオ法話」を放送中!
戻る