メディカル最前線vol.59 血管の健康が生存率を左右!

【循環器内科 】高性能装置と密な連携で的確・迅速な診断・治療

日本人の死亡原因は、第1位のがんに次ぐ第2位が心臓疾患。その約半数が心筋梗塞狭心症で、命にかかわる怖い病気の一つだ。血管の動脈硬化が原因で、冠状動脈や下肢動脈に起こる。その心疾患下肢動脈疾患の診断・治療について最新装置を導入、更なる実績を上げている西の京病院の心臓・下肢動脈センター長の名方剛医師に話をうかがった。

心臓・下肢動脈 センター長

名方 剛 医師/NAKATA TSUYOSHI

血管の健康が命に関わります。予防・治療は運動と食事療法。また睡眠を含め、生活のリズムを保ちストレス軽減が大事です。オンオフで緊張緩和の時間を持ちましょう。
先生の健康法
生活習慣病の予防には有酸素運動が一番です。ちなみに私はYouTube利用から週2~3回のジム通いを始めました。

■心臓や血管の病気

血液のポンプ役である心臓を取り囲む冠状動脈が硬く狭くなると、胸が締め付けられるような痛みやひどい動悸がするなど、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患を生じる。

また、休み休みじゃないと足が痛くて歩けない(間歇性破行かんせつせいはこう)や足指の治らない傷などの症状は、下肢閉塞性動脈硬化症の疑いがある。

下肢閉塞性動脈硬化症は、重症化しなくても死亡率が高く、重症化すると進行がんより予後も悪い病気。特に透析患者はなりやすいという。

■心臓・下肢動脈センターとしてリニューアル

大幅な被ばく量軽減と超高画質

心筋梗塞や狭心症、下肢閉塞性動脈硬化症の疑いがある人は、冠状動脈や虚血性心・下肢動脈などの状態を細かく調べるカテーテル検査と治療を行う。

同院では、アンギオ(心・血管造影)装置などを更新。新装置の特徴は高精細・低被ばく・低侵襲だ。二方向同時撮影で撮像時間を短縮でき、放射線量を軽減、造影剤投与量も減らせるので、患者の負担を軽減しつつ高度な医療を提供できる。

※バイプレーン装置で二方向から同時撮影

■コロフロー(CoroFlow)導入で微小血管障害性狭心症も診断可能に

これまでの心臓CTやMRIなどに映るのは5%程度の血管。これまで胸痛を覚えても異常なしとされていた人が、残り95%の微小血管障害による狭心症の場合があるとされ、同院では即、心・血管造影装置のコロフローを導入。検査時間は多少延びるが、より詳細な検査と治療が可能になった。

■フットケアチーム力でトータルケア

下肢動脈疾患をはじめ、脚のトラブル全般をサポート

また同院は各科の連携がスムーズでチーム医療を得意とし、間歇性破行は、下肢閉塞性動脈硬化症だけでなく脊椎管狭窄症の場合もあり、整形外科での診断も仰ぐ。

さらに脚の健康に関しては、「フットケアチーム」を結成。医師、看護師、透析センター、管理栄養士、臨床工学科、リハビリテーション科(理学療法士)などが定期的に一堂に会し、患者一人ひとりの治療方針を立てて密な連携治療を行っている。

■危険因子は、生活習慣の乱れに!

―塩分・糖質・脂肪分過多、喫煙、運動不足―

心疾患も下肢閉塞性動脈硬化症もその原因は、加齢のほかに生活習慣の乱れが大きい。生活習慣病(高血圧症・高脂血症・糖尿病・慢性腎不全)に喫煙・家族歴(遺伝)が影響し、その危険因子は、脂肪分や塩分、糖質の多い食生活、たばこ、そして特に運動不足だ。

\熟練専門医が診察から治療・フォローまで/

熟練した専門医が、周囲の医療スタッフと共に、診察から治療、リハビリまで総合的に診る医療環境が当院の強みです。
■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 奈良市六条町102-1/
https://www.nishinokyo.or.jp/
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西の京病院/にしのきょうびょういん
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