メディカル最前線vol.42 西の京病院 眼科

医療法人 康仁会 西の京病院

【眼科】
早期発見・早期治療で進行を防ごう
視野の中心に異常!「滲出型加齢黄斑変性」

「見え方がおかしい」「ものがゆがんで見える」「かすんで見える」などの症状。それは網膜の中央に異常が起きる「滲出型加齢黄斑変性」かもしれない。50〜60歳以上の人の発症が多く、患者数も年々増加傾向にあるという。常日頃”見え方“によるQOL(生活の質)を追求する西の京病院眼科部長の伊藤 暁医師に話を伺った。

滲出型加齢黄斑変性

ものが見えるのは、目に入った光が水晶体を通り、網膜に像を結んで脳で認識されることによる。その網膜のほぼ真ん中に「黄斑」という部分があり、ものの詳細を見分けたり文字を読んだりするのに重要な働きをする。
黄斑の中心は「中心窩」と呼ばれ、視力に最も重要な箇所。滲出型加齢黄斑変性は、網膜に異常な血管(新生血管)が生えてきて出血や浸出液がたまり、中心部に見えないところやゆがみが生じる疾患。

●なりやすい人

加齢黄斑変性は年を重ねると誰でも発症する可能性があり、日本では女性よりも男性に多いという。喫煙や食生活の欧米化も関係しているそうだ。

OCT(光干渉断層計)検査

視力検査後、眼底検査で網膜全体の観察をし、OCT検査で網膜の層構造を断面的に観察して、滲出や新生血管の状態を診る。
【最新の超高性能検眼機器】
同院の眼底検査は散瞳薬を使わずに、広角でより詳細、高画質・色彩豊かな画像を撮影。一度で病変をチェックできる!

●検査後すぐに運転も可能という、患者サイドに立ったスグレモノ検眼機!  

視力の改善と長期維持をめざす治療法 

残念ながら網膜を元に戻す根本的な治療法は現在のところまだない。が、進行を防ぐか緩やかにする治療薬が約15年前にできた。「抗VEGF薬」で、新生血管の発生・発育を抑え、出血や滲出を止めて症状を改善、視力の回復を図るものだ。
治療薬を眼に注射するが痛みはほとんどない。外来でOK。体への負担も大きくない。
ただし、1回で改善する人もいれば再発する人もいるので継続的な治療が必要となる。

白内障、緑内障、ドライアイ、眼瞼下垂など、目に関することなら何でも相談を。

眼科部長
伊藤 暁 医師
日本眼科学会専門医、眼科専門医
専門:網膜硝子体手術・難治性白内障
人は多くの情報を眼から得ています。視力障害を起こすと生活のクオリティー(質)が低下していきます。時々、見え方のセルフチェックをしてみましょう。加齢黄斑変性については60歳になったら一度は検査を受けましょう。治療は早いほどいいのです。目を大切にしましょう。

■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1
https://www.nishinokyo.or.jp/

基本情報 Basic Information
西の京病院/にしのきょうびょういん
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