メディカル最前線vol.28 西の京病院 骨粗鬆症リエゾンサービス

【骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS) 】
骨粗鬆症予防は食事と運動
こけない! ころんでも折れないカラダづくり

骨粗鬆症は、加齢や閉経、生活習慣により骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気だ。

高齢化に伴い、患者は増加傾向にあるが、折れて初めてわかることが多い。

”早期発見・早期治療で健康寿命を延ばそう“と、啓蒙も含めて治療に取り組む西の京病院「骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS)チーム」に話を伺った。

その症状、骨粗鬆症のサインかも

・ 以前より身長が低くなった
・ 背中や腰が曲がってきた
・ 背中や腰に痛みを感じる

一つでも当てはまれば 骨粗鬆症の可能性が!

骨折・転倒は 要介護に至る原因の第3位

骨が弱くなると、少しの弾みで背骨や、手首、腕・太ももの付け根などが骨折しやすくなる。一度骨折すると、次の骨折のリスクが上昇する。

痛みはもちろん、長期のリハビリが必要となり、生活の質(QOL)が低下。寝たきりになることで、介護を必要とする生活になる可能性が高くなる。

骨粗鬆症とは

体の中の骨は新陳代謝が行われており、新たに骨を作る(骨形成)、骨を壊す(骨吸収)を繰り返している。このバランスが崩れ、骨吸収のスピードが骨形成を上回ると骨密度が低下する。

骨粗鬆症の原因

①加齢
骨密度のピークは男女共に20代で、その後は徐々に低下。若い頃から食生活や運動習慣に気を付けて骨密度を上げておき、その後の低下を予防することが重要。

②女性ホルモンの低下
女性ホルモンのエストロゲンには骨吸収のスピードを緩和する効果があり、閉経でエストロゲンが減少し骨吸収のスピードが上がる。閉経後の女性に骨粗鬆症が多く見られる傾向がある。

③生活習慣
カルシウム、ビタミンDやビタミンKなどの欠乏、過度なダイエット、運動不足や日光不足、喫煙や過度の飲酒などは、骨密度・骨質の低下につながる。また、糖尿病や関節リウマチ、内臓疾患などでも骨質が低下する。

治療

病状や年齢を考慮し、内服薬や注射による治療と、運動による筋肉強化を行う。骨折した場合は、骨折治療と並行して次の骨折を起こさないよう骨粗鬆症治療を行う。

高性能骨密度測定装置/全身の骨密度を短時間(約5分)でより正確に測定

【骨粗鬆症リエゾンサービスチーム】
西の京病院では、「骨粗鬆症リエゾンサービスチーム」を立ち上げている。医師だけではなく、看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士、管理栄養士、臨床検査技師、臨床工学技士、歯科衛生士など多職種が専門知識を活かし、連携して骨粗鬆症治療と骨折予防を推進している。

予防

●カルシウムを十分に摂る
●ビタミンDやビタミンK、リン、マグネシウム、たんぱく質を摂る
※食事療法は病態により異なるので、主治医・管理栄養士に相談を
●禁煙
●アルコールを控える
●運動や日光浴
●転ばないよう注意

50歳を超えたら毎年骨密度測定を。自分の骨の健康度を知って、丈夫な骨状態を維持することが、骨折を防ぎ自立して長生きを楽しめることにつながります。

整形外科部長・人工関節センター長・リハビリテーションセンター長
内藤 浩平 医師

整形外科学会専門医、リウマチ学会指導医、リハビリテー ション医学会認定臨床医、骨粗鬆学会認定医

“いつの間にか骨折”防止を含め、転ばない体づくり(筋力)と転んでも折れない体づくり(骨)で、元気に長生きしていただくために、チーム一丸でサポートしています。

骨粗鬆症マネージャー
田中博子 看護師

■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1
https://www.nishinokyo.or.jp/

*yomiっこ2020年8月号に掲載の情報です

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