メディカル最前線vol.20 西の京病院 消化器内視鏡センター

【消化器内視鏡センター】 大腸がんは苦痛のない検査で早期発見・早期治療! 検査実績 年間5,000件以上の内視鏡認定施設

日本人のがん部位別死亡順位数では、大腸がんによる死亡数は2位と多く、増加傾向にある。その大腸がん撲滅に向けた西の京病院の取り組みを同院の消化器内視鏡センター長・塩谷淳医師に伺った。

大腸がんはポリープから発生しやすい!

大腸がんの発生は、その多くが元々良性であった「腺腫」というポリープが進化し、がん化する。だからがん化する前に「腺腫」の段階で発見し治療すれば、多くのがん発生を予防できるそうだ。

【大腸がんの危険因子】
遺伝や肥満が知られており、飲酒や赤肉(牛・豚・羊)、加工肉(ハム・ベーコン・ソーセージなど)もリスクとされる。

内視鏡を用いた高精度検査 大腸ポリープの診断と治療

大腸ポリープには、先の「腺腫」の他、がん化しない「過形成性ポリープ」「炎症性ポリープ」などがある。これらを見分けるのに最も適した方法が、NBI拡大内視鏡検査だ。NBI(狭帯光)という特殊な波長の光を当て、血管や表面の模様を浮き出させズーム機能で表面構造を観察、治療前にポリープの性質を正確に診断できる。

内視鏡検査で治療すべきと判断したポリープは、小さなものはコールドポリペクトミー(通電なし)、大きなものは内視鏡的粘膜切除や同下層剥離術(EMR・ESD/高周波装置)により切除する。

苦痛のない鎮静下内視鏡検査

”痛くない、苦しくない“がモットーの同センター。鎮静下とは、静脈麻酔でウトウトしている間に検査を行うもの。また検査後おなかが張りにくい炭酸ガス送気を用いるなどして、患者の負担を軽減している。

この麻酔は、効きが早く、醒めた後は すっと消えるタイプなので、車で来院した人でも安心。

大腸カメラと同日に胃カメラも可能

同センターは、二大がんの検査を、一気に効率よく済ませてしまうことができる数少ない施設。忙しい人や検査嫌いな人には好都合だ。  大腸カメラで多量の下剤を飲むのが苦手な人も多いが、胃カメラ(鎮静)下で下剤を注入し、下剤を自分で飲む負担を減らすこともできる。

下剤を飲みつつ検査待機をする控え室。来春に落慶される薬師寺東塔も望める。

大腸検査担当医はすべて学会の定める「内視鏡専門医」の有資格者で、10年以上の経験を持つ医師。患者に負担をかけずに的確な診断と治療を目指す。

左から
消化器内科医長 
高山 政樹 医師
消化器内視鏡センター長 塩谷 淳 医師
消化器内科医長 松木 信之 医師

【内視鏡検査】
●診療:月曜~土曜の午前・午後
●電話予約可・予約専用ダイヤル TEL.0742-35-1215

患者支援センター/TEL.0742-35-2219
取材協力/医療法人康仁会 西の京病院(メディカルプラザ薬師西の京事務局/奈良市六条町102-1
問い合わせ/TEL.0742-35-1122
https://www.nishinokyo.or.jp/

*yomiっこ2019年12月号に掲載の情報です

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