メディカル最前線vol.13 西の京病院 血管外科センター

下肢静脈瘤に特化した治療 保険適用・日帰り手術でつらさ解消!!

足の血管が青く浮き出たり、ボコボコに腫れたりする「下肢静脈瘤」。悪性の病気ではないが、足のだるさやむくみ、こむら返り、かゆみ、痛みなどが日常化し、重症化すると色素沈着や潰瘍に至ることも。日帰りで高い治療効果を望める血管内焼灼術で、全国トップクラスの手術件数を誇る西の京病院・血管外科センター長の今井崇裕先生に話を伺った。

下肢静脈瘤の原因

足の血液を心臓に戻す働きをしている静脈。ふくらはぎの筋肉によるポンプ作用と、血液の逆流防止弁による働きが大きいが、その筋肉が弱かったり弁が壊れたりすると血液の逆流や滞留が起こり、静脈血管が太くなり屈曲し、こぶ状になっていく。

今井先生「日本人の30代以上に55%、50代以上で65%に何らかの静脈瘤があり、女性は男性の約1.2倍。原因は遺伝、立ち仕事、妊娠などが考えられます。」

日帰り手術など最新治療で むくみや痛みから開放!

治療は、症状や検査結果により、それぞれのタイプに応じた日帰り手術で行う。これまでは、静脈を抜き取る下半身・全身麻酔手術で入院1週間など、患者の負担も大きかったが、近年は治療の進化で、日帰り(場合により短期入院)治療が可能になった。

麻酔は局所のみ、治療法もレーザー・高周波手術(20〜30分)が主流だ。原因となっている静脈を熱で閉塞させるものだが、血管内に入れるカテーテルも格段にスリム化、傷口は針の穴ほどで済む。
また、ストッキングの圧迫療法注射による硬化療法を組み合わせることで、より良質で再発率の低い治療を実現。

今井先生「患者さんの症状、仕事内容や生活習慣、触診や綿密なエコー検査の上で診断、最適な治療法を決めます。」

弾性ストッキングを 産学医で共同開発!

下肢の静脈還流を改善するアイテムの弾性ストッキング。同院では、県内の靴下製造企業と畿央大学健康科学部人間環境デザイン学科と協働し、NARAソックス・プロジェクトを立ち上げ、機能性・デザイン性共に優れたものを開発した。

着脱法は、同院の弾性ストッキングコンダクターが丁寧に指導する。

「年に800件余りの下肢静脈瘤治療を行っています。下肢静脈瘤は早期であるほど、治療の選択肢が多く早く改善できます。エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)やリンパ浮腫も含めて学会や講演会(4月20日公開講座/下記)で皆様にお伝えしています。気軽にご相談ください。」

血管外科センター長
今井崇裕(いまい たかひろ) 医師
埼玉医科大学卒、日本静脈学会評議員、日本リンパ浮腫治療学会評議員、血管内レーザー治療 指導医・実施医ほか

取材協力/医療法人康仁会 西の京病院(メディカルプラザ薬師西の京事務局/奈良市六条町102-1
問い合わせ/TEL.0742-35-2219(患者支援センター)
https://www.nishinokyo.or.jp/

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