メディカル最前線vol.2 西の京病院 泌尿器科 メディカル最前線 2018.7.13 みょ 「トイレが近い」「尿もれ」で困っていませんか? トイレの回数が増えたり、尿意が我慢できなくなったりしたことを“年のせい”とあきらめていませんか? 特に女性の場合はデリケートな部分の悩みなので、病院へ足を運ぶのをためらい、1人で悩むケースが多いとか。 そこで、西の京病院・泌尿器科の林知行先生に、その原因と治療法をうかがってみました。 診察 1日の尿の回数や失禁経験、 日常生活で困る症状など ・尿検査・・・がんや感染症 ・血液検査・・・腎臓の働き、がんや感染症 ・超音波検査(エコー) ・・・膀胱に残っている尿の量や、腎臓・膀胱、前立腺(♂)の状態などをチェック 治療 過活動膀胱の場合 薬 抗コリン薬(異常な収縮を抑える)とβ3作動薬(膀胱の筋肉を緩める)で膀胱に尿をしっかり溜める。 α1ブロッカー(前立腺の過剰な収縮を抑制)、男性ホルモンの働きを抑えるものや漢方薬も。 過活動膀胱の症状と起こるしくみ 尿意切迫感突然トイレに行きたくなり我慢できなくなる症状 昼間頻尿日中に8回以上トイレに行く症状 夜間頻尿夜中に1回以上、おしっこのために起きる症状 切迫性尿失禁突然の強い尿意で我慢できずに、尿がもれてしまう症状 ●男性では前立腺肥大症によるものが多い大きくなった前立腺が尿道を圧迫し、頻尿のほか、残尿感・尿線途絶・尿勢低下・腹圧排尿などを伴う。 ●過活動膀胱以外の尿トラブルの原因 骨盤底筋の衰退で尿道の締まりの悪化が原因。加齢・出産・女性 ホルモンの低下が関係。 その他、感染症(膀胱炎・尿道炎など)、 子宮内膜症、心因性頻尿(緊張など)、 膀胱結石、膀胱がんなど 普段の生活の中でのトレーニング「膀胱訓練」や「骨盤底筋訓練」で改善された例は多いです。薬との併用などで、トイレを気にしない生活を取り戻してください。 泌尿器科林 知行医師 関西医科大学卒、日本泌尿器科学会認定専門医 専門:泌尿器科、透析 取材協力/医療法人康仁会 西の京病院TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1https://www.nishinokyo.or.jp/