〈御所市〉奈良・大阪・和歌山にまたがる “日本最古の修験道” 日本遺産『葛城修験』ファムツアー開催

日本遺産『葛城修験』をテーマに現役修験者と御所を巡る

修験道の開祖・役行者が初めて修行を積んだ地で日本最古の修験道といわれる『葛城修験』。2020年には日本遺産に登録され、霊場が残る和歌山県・大阪府・奈良県の3府県では協議会を設立し「葛城修験」を活用した観光誘致や情報発信に取り組まれています。

その一環として11月14日、旅行会社などを対象にファムツアー(視察旅行)を開催。京都・聖護院門跡より槇山 恵壬師をガイドに修験道発祥の地、奈良県御所市を巡りました。

葛城修験とは・・・?

和歌山県の友ヶ島を起点に和歌山県と大阪府の境界に連なる和泉山脈、大阪府と奈良県の境界をなす金剛山地の峰々を北上し明神山・亀の尾(王寺町)へと至る総延長112㎞にも及ぶ修行の道。

道中には役行者が葛城の峰々を仏法の世界に見立てて、法華経八巻二十八品をそれぞれ経筒に入れて埋納したと伝わる経塚が残り、これらを巡ることが葛城修験の中核となっています。

旅は、第二十二番経塚「水越多和 嘱累品(みずこしたわ ぞくるいぼん)のほど近くにある葛木水分神社から始まります。神社の解説の後、本殿前で槇山さんと共に参加者全員で読経する勤行体験を行いました。

般若心経などをプリントした紙を片手に字を追っかけながらの読経でしたが、皆さん意外とスラスラと読まれていました。今度機会がある時までには見ずに唱えられるようになりたいですね。

続いてバスに乗って古い街並みが残る名柄地区へ。葛城古道を歩きながら、葛城一言主神社への参拝や、あるお寺ではWEBやSNSへの公開が禁止されている貴重な仏像も見学しました!

神社参拝後は古民家カフェ育(はぐくむ)の建物を借りて昼食タイム。1902年創業の御所まちの仕出し・弁当屋『吉田屋』のお弁当をいただきます。

豪華なお弁当の中でも注目は炊き込みごはん。金剛・葛城山のきれいな水と山麓の豊かな土壌で育った『吐田米』を、木桶発酵、天然醸造にこだわった御所市の醤油蔵『片上醤油』の醤油で味付け。鴨(賀茂)氏ゆかりの地に因んで鴨肉も入っていました!どれもおいしい~♪

昼食後はまた葛城古道をてくてく北上。千体地蔵がある九品寺を見学し、第二十三番経塚「倶尸羅 薬王菩薩本事品」へ。第二十三番経塚は3か所にその伝承が残りますが今回はそのうちの1つ、地蔵寺跡の五輪塔で法話を聴きました。

そしてバスに乗り本日の最終目的地・吉祥草寺へ。同寺は役行者の生誕地と伝わり、役行者が32歳までこの場所から各地へ修行に出向いていたといいます。こちらでは住職の山田 哲寛師の案内のもと、境内に残る役行者ゆかりの仏像やうぶ湯の井戸などを見学しました。

本物の山伏さんの案内で葛城修験の聖地を巡ることで、葛城修験を含む修験道への理解がより深まった今回。この他にも28の経塚を巡るいくつかのモデルコースがあり、実際に催行されたものもあるそう。今回のツアーも近く実現するといいですね!

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