今年元日に発生した能登半島地震。建物の倒壊や損傷など甚大な被害の様子が映し出され、改めて防災への意識が高まっている。
新築住宅・耐震リフォーム共に、地震や洪水などの災害から大切な家族を守る強さと、家族が楽しく充実して過ごせる快適性も併せ持つ住空間を考えましょう。
シンプル&スリムかつ豊かな暮らしを楽しむ家
家具を置かない収納と効率のいい動線
周りを緑に囲まれ、東に若草山を遠望できる高台の家は、ロフト付きの平屋。2軒目の新築というH邸は、1軒目の反省点も含めて、「動線の効率化」と「家族の空間重視」、「家具を置かず、見える収納で不要なモノを増やさない」をベースに、ドアや壁の素材や色、照明、スイッチ、タイル等々、その一つひとつにはこだわり抜いた。シンプルにしてスリムながら、夢がいっぱい詰まった暮らしを紡ぐ空間だ。
地震・災害に備える工夫
シェルター
兼備蓄庫
階段下「男の隠れ家」は避難所として、備蓄庫として
リビングから2階への階段下スペース(約2畳)は、ご主人用の「男の隠れ家」。いざという時の「シェルター」的空間にもなり、「災害時の備蓄品倉庫」用にも使える
地震・災害に備える工夫
耐震改修
費用と工期は?気になる耐震改修のすすめ
リフォーム後の日本家屋
耐震補強は筋交いや、耐震ボードなどを入れて地震の揺れに強い壁をバランスよく増やす。費用は壁の補強1か所で約10万円。狙う評点や規模によって変わるが、全体で約50万円からでも可能だ。耐震補強のみならば工期は1~2週間、一時引っ越しの必要なく改修が可能だ。自治体による助成制度もあり。もしもの大地震に備えて家の耐震化について考えてみよう。
平野木材
耐震診断員の
藤井謙昌さん
平野木材 耐震診断員の
藤井謙昌さん
リフォーム時に合わせて耐震補強をすることをおすすめします。
地震が起こり、倒壊などの大きな被害が出る前に、家族を守る耐震補強を検討してみてください。
地震・災害に備える工夫
外構改修
高台のブロック塀をフェンスに軽量化し外観をモダンにリフォーム
高台に建つ生駒市のMさんの住まい。庭から見る塀は高くはないが、擁壁の上にブロックが積まれ、道路から高い位置にあり崩れると危険だ。30年以上と思われるブロックの表面には経年劣化によるひび割れが見られた。リフォームでは6段のブロックを3段にし、ブロックの上に目隠しにもなり通気性を確保するルーバーフェンスを設置。上段をフェンスに変更したことで全体の高さを変えることなく軽量化され安全性が上がり、スリットの入ったデザインブロックとルーバーフェンスの組み合わせでモダンな外観に。
地震・災害
に備える
あなたの住まい 耐震は大丈夫?
まずは家の築年チェック!木造住宅の3つの耐震基準
5月以前
●旧耐震基準
震度5強程度の地震でほとんど損傷しないことを検証
↓
6月以降
筋交いなどが入った耐震壁の量を増加
震度5強程度の地震でほとんど損傷しないことに加えて、震度6強〜7に達する程度の地震で倒壊・崩壊しないことを検証
↓
6月以降
新耐震基準+地盤調査(地耐力調査)が事実上必須化!
●現行基準
柱の柱頭・柱脚、筋交いの端部を固定するための金物を指定。家全体のバランス計算を義務化
2016年の熊本地震の調査では
誰でもできるわが家の耐震診断
(一般財団法人 日本建築防災協会)
地震に対してどのくらい心配があるか自己診断できる。
診断結果を見て不安があったら耐震診断を受けてみよう。
住宅の耐震化
昭和56年5月以前の旧耐震基準の木造住宅を対象に、耐震診断・耐震改修の補助の助成を県内の多くの市町村で行っている。市町村によってはブロック塀の撤去事業もあり、要件を満たすことで助成を受けられることも。詳細は各市町村に問い合わせてみよう。
ほとんどの市町村で無料で受けられる!※旧耐震基準の木造住宅対象
木造住宅の耐震診断
家の地震に対する強さを耐震診断員が調査。地盤の硬さや基礎、壁の筋交いの量とバランス、腐食やシロアリ被害などに着目し建物の状態を評価する。調査結果から構造評点が算出され1.0未満の場合は耐震改修が必要となる。
費用:ほとんどの市町村で無料(一部の市町村で費用負担あり)
木造住宅の耐震改修工事を進めるには?
※市町村により耐震内容と補助内容が異なる
※一定の要件あり ※詳細は各市町村へ問い合わせを
点検しよう
ブロック塀等
補助事業を行っている市町村もあるよ
-
塀は高すぎないか
塀の高さは地盤から2.2m以下か -
塀の厚さは十分か
塀の厚さは10cm以上か(塀の高さが2m超2.2m以下の場合は15cm以上) -
控え壁はあるか(塀の高さが1.2m超の場合)
塀の長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの1/5以上突出した控え壁があるか -
基礎があるか
コンクリートの基礎があるか -
塀は健全か
傾き、ひび割れはないか -
塀に鉄筋は入っているか ※専門家に相談
塀の中に直径9mm以上の鉄筋が、縦横とも80cm間隔以下で配筋されており、縦筋は壁頂部及び基礎の横筋に、横筋は縦筋にそれぞれかぎ掛けされているか。基礎の根入れ深さは30cm以上か(塀の高さが1.2m超の場合)
新築&リフォーム前に補助金制度をチェック!
窓・ドアの高断熱化リフォームを補助
上限 200万円
長期優良住宅はたはZEH住宅の新築、住宅の省エネ改修などを補助
住宅の新築・新築分譲住宅の購入
若者夫婦世帯
住宅のリフォーム
①開口部の断熱改修
②外壁、屋根、天井又は床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
B
④子育て対応改修
⑤防災性向上改修
⑥バリアフリー改修
⑦空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事など
(Aのいずれかの工事が含まれることが必須)
上限 20万円
(世帯要件等により最大60万円)
高効率給湯器の導入を補助
(エコキュート)
家庭用燃料電池
(エネファーム)
最大15万円