若いお坊さんへのリレーインタビュー
「Boze数珠つなぎ」
#250
Profile
護法山 喜蔵院 住職
中井 智教 師
なかい ちきょう
大学卒業後、聖護院修験学寮を終えて、喜蔵院に入るとともに、聖護院に勤務。
2022年、住職に就任。
大峯奥駈修行に参加しませんか
大峯山護持院として知られており、多くの信者さんが立ち寄られます。宿坊もしていたのですが、コロナ禍に入り、残念ながら休業している状態です。
私は、普段はこの喜蔵院とともに、本山である京都の聖護院にも勤めさせていただいております。
近鉄六田駅を出発し、吉野川で水行して身を清め(コロナの間は中止)、吉野神宮や金峯山寺を参拝し1日目が終了。2日目は朝3時に出発し、大峯山を目指します。そこから弥山、八経ヶ岳など次々と縦走していき、前鬼へ。そこからバスで喜蔵院に戻ります。
お世話をする先達は、参加者の皆さんがケガなく全員目的地に到達することを目指しサポートします。何より相互の助け合いが大切になります。
全行程数日間にも及ぶ険しい道を行く、まさに修行の場です。私は平成14年から参加しております。父である先代住職が長年先達を務めており、参加者は全国から来られます。遠くは千葉、埼玉、東京、西は広島、カナダから外国人が参加したこともありました。
行くまでは正直すごく憂鬱です。自分の参拝だけでもキツイのに、それに加え、参加者の皆様を満行させる責任があるからです。でもこの行程を終えた後の満足感と達成感は何ものにも代えがたいです。戻って最初に入るお風呂が天国のように感じます。肉体的にも精神的にもつらいからこそ修行になるのであって、わあ楽しかったでは、修行になっていないということです。
お山に登らせていただくと、自然のすばらしさに魅了されるとともに、普段いかにぜいたくな暮らしをしているかを実感します。そしていろんな人に助けてもらっているのだということを実感します。
この大峯奥駈修行のほかに、喜蔵院での大きな行事が「寿稲荷大祭 採燈大護摩供」という行事です。
うちの境内に稲荷神社があるのですが、その神様をお寺の本堂の前に仮遷しをさせていただきます。行者講の連合体により交替制で護摩壇を組み、金峯山寺本堂前より山伏行列を行います。その後護摩を焚きます。
《喜蔵院の年間行事》
5月 3日 大峯山寺戸開式
9月23日 大峯山寺戸閉式
12月第一日曜日 採燈大護摩供
聞き手:朝廣佳子