トドの毒舌(255)コロナにかかり大切なものに気づく

2022年の夏の終わり、「コロナ」に感染して少し苦しんだが完治して生活していた。

僕は「匂い」に変化があったようだ。「味」が分からなくなった人もいると聞くが、僕の場合は「匂い」というか鼻の能力が弱ったのだ。

細かくいうと「美味しい匂い」があまり感じず、「嫌な臭い」は強く感じるのだ。

病気完治の後、九州へ旅行の機会があった。船はコロナ再感染の恐れがありそうなので、車での陸路を使って行った。大分や熊本では温泉と味覚を堪能したが、最後の宿泊地、福岡での「街中」のホテルでは、内外の臭いに倒れそうになった。初めての韓国旅行や香港旅行で味わったあの「臭い攻撃」と同じだった。

まぁ、誰にでも好き嫌いの「匂い」はあるものなので強く言葉にはしないが、花の香りやいい線香の香りがわからなくなった僕にとっては、嫌いな臭いの塊の中でいてるようで、逃げるように街中のホテルを出た。

この鼻の弊害は今現在も続いていて少々困っています。良い(好きな)匂いを今もあまり感じません。匂いって、雰囲気構成の中でも大切なものですよね。

車好きなら・・・レース場でのカストロオイルの焼ける匂い。

食通なら・・・松茸やアワビの焼ける匂い。

旅行好きなら・・・ハワイの通りのハイビスカスの匂い

もっと良い匂いを強く感じたいし、嫌な臭いを弱く感じたい。まさかコロナで五感の一つの大切さをしみじみ思い知ることになるとは。

大吟醸の甘い匂い、うどんのおだしの匂い、焼き魚の焦げる匂い・・・。そういえば、うなぎ屋の前で、匂いをおかずにして飯を食うという落語があったな。何も思わず笑っていた自分が懐かしい。

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