〈奈良市〉旧南都銀行をリノベーション、ゆるくつながれるコミュニティーの場が誕生(bird bird)

3年前に移転統合した旧南都銀行紀寺支店(奈良市紀寺町)が、3月21日コワーキングスペース、シェアオフィス、シェアダイニングやシェアサウナなどを備えた「bird bird(バードバード)」に生まれ変わりました。
同館は、奈良を代表する建築家で畝傍高校や近鉄吉野駅を手掛けた岩崎平太郎(1893~1984)が設計した近代建築の意匠を残す建物です。

運営するのは、株式会社「スペースドットラボ」代表の藤岡俊平さん。
歴史のある建物を交流施設として紀寺町に残したいと思い、リノベーションに携わりました。紀寺町を中心に古民家の再生事業活動を行っている藤岡さん、「シェアリング」にはモノと場所と時間を分けて借り合っていくものと、同じ時間を共有するものとがありますが、後者、例えば銭湯やスポーツジムのように使いたい時に自由に使えるシェアリングでゆるくつながるコミュニティーが必要だと考えています。

仕事も遊びも挑戦もシェアリングコミュニティースペースで

築約50年の鉄筋コンクリート2階建て、延べ床面積約500㎡。
1階は、シェアダイニング。10人余りが対面式で腰掛けられるコの字型のタイル張り大テーブルに厨房機器が組み込まれています。

奈良市田原の職人さんに焼いてもらったという橙と白のマーブル模様のタイルは、ひんやりとしながらも手触りが心地よくいつまでも撫でまわしていたい気がするほどです。

隣は元金庫室。大きな木のテーブルと椅子を配し、こちらでも10人ぐらいが会議や食事会などをやれそうな空間に仕上がっています。

現在シェアダイニングでは、金・土曜の夜16時~22時までバー営業をしています。
カウンターの中に入るのは藤岡さん自身。客は見知らぬ人同士なのにすぐに打ち解けて互いに談笑が始まるそうです。

日替わりで色々な飲食店が入るとより楽しいダイニングルームとなりそうな予感がします。

2階はシェアオフィスのほか、コワーキングスペース。
広く開放的な空間に、藤岡さんが2年かけて探し回ったというアンティークの丸テーブルと椅子や長椅子が配されています。オフィスチックなワーキングスペースと異なり、コミュニティーを大切にしながら仕事ができそうな空間です。

見えるのは空と春日奥山だけの空間「屋上サウナ」

屋上は会員専用ですが、YOGAやフィットネスができる広々フロア仕様、一角にはテントサウナと水風呂、流しの付いたダイニングテーブルも配備されています。

北に興福寺の五重塔、目を東に転じれば若草山、高円山の火床などが望めます。座ったり寝ころんだりすれば、見えるのは空だけというスペース。読書や昼寝も心地よさそうです。仕事の前や後に心が解放できる時間を過ごせそうです。

羽根を休めに来て、また飛び立っていく(挑戦)の場、しかも複数で
それがbird bird

「クリエイティブ(ものづくり)な仕事をしている自分としては、発想はデスクでパソコンに向かっている時より、入浴中にぼぉ~としている時や雑談の中で生まれることが多いのです」と藤岡さん。

「bird bird」には、鳥が羽根を休めに(屋上に)来て、また飛び立っていくように、人も自由に仕事やバー、サウナに来て、顔なじみもでき、何かを得たりまた支援したりの交流から、新たな挑戦に向かって複数の人に背中を押されて飛び立っていけるような場所にしたいという思いを込められているそうです。

基本情報 Basic Information
bird bird/バードバード
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