万病のもと、内臓脂肪にご用心!

おなかに付いた“気になる脂肪”。両手でつかむことができるほど付いている人はいませんか?
脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があり、内臓脂肪は糖尿病や高血圧などの生活習慣病を引き起こすリスクが高いとされ、放っておくと怖い存在だ。
男性に多い内臓脂肪型の「おなかポッコリ体型」は女性も注意が必要。
食事と運動に気をつけて内臓脂肪を撃退しよう。

内臓脂肪と皮下脂肪

脂肪はたまる場所によって皮下脂肪と 内臓脂肪に分けられる。
皮下脂肪や腹筋のさらに奥、消化管の周辺にある腸間膜などに付いた脂肪。「おなかポッコリ体型」の人に多い。
皮膚のすぐ下に付く脂肪。エネルギーを蓄え、外部から体を守るクッションの役割を果たす。太ももやお尻にたまりやすく「下半身太り」の人に多い。

内臓脂肪が増えると生活習慣病につながる

内臓脂肪は、実は体内機能調整のために様々な生理活性物質を作りだし、体に分泌している。
内臓脂肪の量が適正な場合は『善玉』として作用するが、内臓脂肪過多になると『悪玉』となり、糖尿病や脂質異常症など様々な病気を引き起こすとされている。

さらに内臓脂肪が増えると、危険な“異常性脂肪”に

内臓脂肪が増えると内臓周囲からあふれて肝臓や心臓、筋肉などにも侵食する。
異常性脂肪と呼ばれ内臓脂肪以上に危険な存在に。

●肝臓に付くと…

肝硬変から肝臓がんになるリスクが高まる

●心臓に付くと…

動脈硬化が急激に進む。通常動脈硬化は内側から進むが、血管の外側から動脈硬化を進めることに

女性は閉経前後から気をつけて

女性は女性ホルモンの働きで内臓脂肪よりも皮下脂肪をためやすいが、女性ホルモンが減少する閉経前後から内臓脂肪が蓄積されやすくなる。油断大敵だ。

内臓脂肪のつき具合をチェック

腹囲の計測方法

おへそから水平にメジャーが腹部に食い込まないように。
※ウエストの細い部分ではないので注意

※男性84cm以上、女性90cm以上の場合、内臓脂肪が蓄積している可能性あり

BMI(体格指数)

…肥満の程度を示す国際的な指標

BMI=体重kg÷(身長m×身長m)

★BMI 18.5以下を低体重、22を適正体重、25以上は肥満とされている

内臓脂肪は実は落としやすい

内臓脂肪はダイエットの早い段階で減少するのが特徴だ。
皮下脂肪に比べても落としやすいというデータも。

内蔵脂肪は普通預金、皮下脂肪は定期預金、減るとなったら内蔵脂肪から!

ダイエットは3~6か月をめどに体重3%減を目標に

3%痩せるだけで内臓脂肪が関連する病気のリスクがぐんと減ると言われる。
体重が60kgの人の場合、1.8kg。頑張れば達成できる数値だ。

食べる時に気をつけるポイント!

●ご飯やパンなどの糖質を減らす
炭水化物を減らして食物繊維が豊富な食材で補う。食事量は極端に減らさない。

●食事は「ベジタブル・ファースト」で 血糖値の乱高下は肥満の原因につながる。食事の時に野菜や海藻、大豆類を先に摂ることで血糖値の急上昇を抑えられる。

おすすめダイエット食材

●蒸し大豆・蒸し黒豆
大豆や黒豆は水溶性食物繊維やタンパク質が豊富。

●もち麦
白米の25倍の食物繊維を含みダイエットに最適。白米に混ぜて炊いて。

●キノコ・海藻類 低糖質、血糖値の急上昇を抑える水溶性食物繊維が豊富。舞茸は特におすすめ。

●果物・ナッツ・チーズ
果物はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富。
ナッツやチーズは食後血糖値が上昇しにくく食べ応えあり。

●緑茶(茶カテキン)・コーヒー
茶カテキンは脂肪の分解と消費に働く酵素を活性化。
コーヒーはカフェインが脂肪分解酵素に働き効果的な脂肪燃焼を促す。

6つのアドバイス

❶朝起きたら水を一気飲み
水は胃を刺激し活性化。同時に胃が下がり腸の運動を促す。

❷毎朝体重を測る
今の体重を意識することで、その日の食事の量をコントロール。

❸5階までは階段を上がる
適度な負荷がある階段は有酸素運動に最適。日常生活の中でトレーニング。

❹目標の体重になるために一度集中する
期間を区切ることでモチベーションが保て、
結果につながりやすい。

❺夕食は軽めに。味噌汁はおすすめ。
味噌は整腸効果が期待でき栄養価が高い。
野菜も取り入れるとなお良い。

❻夕食は21時までに済ませる
寝ている間に蓄積される脂肪を抑えられる。
夕食は就寝3時間前までに。

有酸素運動で内臓脂肪を減らす

体を動かす習慣は高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防と改善に役立つ。特に、有酸素運動を行えば行うほど内臓脂肪は減少する。ポイントは無理のない範囲で継続することだ。食事の見直しと一緒に有酸素運動を取り入れて内臓脂肪を撃退しよう。

有酸素運動をおさらい
酸素を十分に取り入れながら、あまり強くない運動をじっくりと行うこと。ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などが有酸素運動に当たる。
●息がはずむ程度の運動を30分間、週に5日以上
●1日の歩数をいつもより3,000歩増やす(概ね30分 間の有酸素運動に相当)。

有酸素運動の目安
早足で汗ばむくらいの速さ。一緒に歩く人と、かろうじて笑いながら会話ができるスピードが目安

●3,000歩多く歩けば脂肪は落ちる!?
体重60kgの人が30分の有酸素運動を行うと約90kcalを消費する。毎日続けて行えば、1か月で約2,700kcalを消費する計算に。

運動初心者はラジオ体操を
続けてみよう!
ラジオ体操は有酸素運動が中心の動きに、筋トレの要素が含まれている。消費カロリーは約30kcalとわずかながら、第1・第2を続けて真剣に正しく行えば汗が流れる運動だ。朝晩各1セット、毎日2回を続けると1か月で約1,800kcalを消費できる。

テレビを見ながら家事の合間におすすめ「ゾンビ体操」

●上半身は「イヤイヤ」とするように肩を前後に動かし、脱力した両腕がブラブラと自然と揺れるように

●1分間行ったあと、30秒間ゆっくりその場で足踏み

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