メディカル最前線vol.2 西の京病院 泌尿器科

「トイレが近い」「尿もれ」で困っていませんか?

トイレの回数が増えたり、尿意が我慢できなくなったりしたことを“年のせい”とあきらめていませんか? 特に女性の場合はデリケートな部分の悩みなので、病院へ足を運ぶのをためらい、1人で悩むケースが多いとか。  そこで、西の京病院・泌尿器科の林知行先生に、その原因と治療法をうかがってみました。

診察

1日の尿の回数や失禁経験、 日常生活で困る症状など

・尿検査・・・がんや感染症
・血液検査・・・腎臓の働き、がんや感染症
・超音波検査(エコー)  ・・・膀胱に残っている尿の量や、腎臓・膀胱、前立腺(♂)の状態などをチェック

治療 過活動膀胱の場合

抗コリン薬(異常な収縮を抑える)とβ3作動薬(膀胱の筋肉を緩める)で膀胱に尿をしっかり溜める。

α1ブロッカー(前立腺の過剰な収縮を抑制)、男性ホルモンの働きを抑えるものや漢方薬も。

過活動膀胱の症状と起こるしくみ

尿意切迫感
突然トイレに行きたくなり
我慢できなくなる症状

昼間頻尿
日中に8回以上
トイレに行く症状

夜間頻尿
夜中に1回以上、おしっこのために起きる症状

切迫性尿失禁
突然の強い尿意で我慢できずに、尿がもれてしまう症状

●男性では前立腺肥大症によるものが多い
大きくなった前立腺が尿道を圧迫し、頻尿のほか、残尿感・尿線途絶・尿勢低下・腹圧排尿などを伴う。

●過活動膀胱以外の尿トラブルの原因

骨盤底筋の衰退で尿道の締まりの悪化が原因。加齢・出産・女性 ホルモンの低下が関係。 その他、感染症(膀胱炎・尿道炎など)、 子宮内膜症、心因性頻尿(緊張など)、 膀胱結石、膀胱がんなど

普段の生活の中でのトレーニング「膀胱訓練」や「骨盤底筋訓練」で改善された例は多いです。薬との併用などで、トイレを気にしない生活を取り戻してください。

泌尿器科
林 知行医師

関西医科大学卒、日本泌尿器科学会認定専門医
専門:泌尿器科、透析

取材協力/医療法人康仁会 西の京病院
TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1
https://www.nishinokyo.or.jp/

戻る