【血管外科センター 】
下肢静脈瘤の最新治療「血管内接着材治療」
保険適用・日帰り手術で病変閉塞
足の血管が青く浮き出たり、ボコボコに腫れたりする「下肢静脈瘤」。足のだるさやむくみ、こむら返り、かゆみ、痛みなどが日常化し、重症化すると色素沈着や潰瘍に至ることもある。血管外科センターを設置し、下肢静脈瘤に特化した治療で高い成績を上げ、他府県や海外からの研修者も多い西の京病院。同センター長の今井崇裕先生に話を伺った。
下肢静脈瘤とは
足の血液を心臓に戻す働きをしている静脈。ふくらはぎの筋肉によるポンプ作用と、血液の逆流防止弁による働きが大きいが、その筋肉が弱かったり弁が壊れたりすると血液の逆流や滞留が起こり、静脈血管が太くなって屈曲し、こぶ状になっていく。
こんな症状のある方は注意!
□ 足の静脈が膨れる
□ だるい・重い・疲れやすい
□ ほてる・むくむ
□ こむら返り(足がつる)
□ かゆみや湿疹がある
□ 皮膚が赤黒っぽくなる
日帰り手術など最新治療で
むくみや痛みから開放!
綿密なエコー検査と症状や悩みを確認した上で診断、圧迫療法(弾性ストッキング)、硬化療法(硬化剤で静脈癒着・硬化)、血管内焼灼術(高周波熱で血管閉塞)、ストリッピング(静脈抜き取り)など、最新の治療機器を使い分け最適な施術を選択する。いずれも30分以内の施術で日帰り治療も可能とのことだ。
〈国内2番目〉
超最新、グルー治療開始!
同院では1月から全国に先駆けて、下肢静脈瘤を医療用接着剤で治療するグルー治療※(健康保険適用)を開始。これは、患部の静脈内に専用カテーテルを挿入し、下肢静脈専用の医療用接着材を注入して血管壁を閉塞する手法で、レーザーやラジオ波のように熱を使わないため、体への負担がより少ない治療法だ。
※厚生労働省認可「Venasealクロージャーシステム」
※血管内焼灼術をするまでもない症例用で、所要時間は約20分
患者さんの症状、仕事内容や生活習慣、触診やエコー検査の上で診断、最適な治療法を決めます。
弾性ストッキングを産学医で共同開発!
下肢の静脈還流を改善するアイテムの弾性ストッキング。同院では、県内の靴下製造企業と畿央大学健康科学部人間環境デザイン学科と協働し、NARAソックス・プロジェクトを立ち上げ、機能性・デザイン性共に優れたものを開発した。
足先から心臓への血液の戻りを助け、下肢静脈瘤のうっ血を改善。
病院の売店で販売中
2,700円(税別)
専門医が周囲の医療スタッフともタッグを組み、一人ひとりの患者さんを診察から治療、リハビリまで総合的に診る医療環境が当院の強みです。
血管外科センター長
今井 崇裕 医師
【専門】脈管専門医、リンパ浮腫療法士、 血管内レーザー焼灼術指導・実施 医、弾性ストッキングコンダクター
■問い合わせ
血管外科センター直通 TEL.0742-35-1276(平日 9時〜17時、土曜 9時〜12時半)
患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1
https://www.nishinokyo.or.jp/