メディカル最前線vol.32 西の京病院 糖尿病合併症外来 メディカル最前線 2020.11.25 みょ 【糖尿病合併症外来 】 〝合併症〟を早期発見、チームでサポート! 心臓病や神経障害、網膜症、腎症など、知らないうちに忍び寄る糖尿病の合併症。”早期発見・早期治療で健康寿命を延ばそう“と、糖尿病専門医を中心にケアチームが一丸となって患者のサポートに当たっている西の京病院「糖尿病合併症外来」で、糖尿病内科部長の石塚健医師に話を伺った。 糖尿病とその原因 糖尿病は、インスリン(膵臓から分泌されるホルモン)が十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖が増えてしまう病気。運動不足や食べ過ぎなどが原因で高血糖となり、その状態が続くと、神経障害、網膜症、腎症といった三大合併症や、壊疽(閉塞性動脈硬化症)、脳梗塞、心筋梗塞といった大血管合併症を引き起こす。 インスリンが働かないと、酸素と 栄養素が全身に行き渡らなくなる! 三大合併症、大血管合併症など「合併症」を総合的に調べ、早期発見、悪化を予防 怖いのは、糖尿病の合併症はある程度病状が進行するまで自覚症状がないことが多く、気づかないうちに悪化することだ。普段の採血(血糖値、HbA1c〈過去1~2か月の血糖値を反映〉)、尿検査(尿蛋白など)だけでは、早期発見が難しく、足のしびれ、痛み、視力の低下、むくみなどに気づいた時には病状が進行し治療が困難になる。 糖尿病専門医を中心に 糖尿病チームが治療をサポート 血糖値を1日中続けて測定できる 持続血糖測定 (CGM:Continuous Glucose Monitoring)CGMとは、皮下に刺した細いセンサーにより皮下の間質中の糖濃度を持続的に測定するもの。血糖値と皮下の間質中の糖濃度はほぼ同じなので1日の血糖値の動きを持続的に把握できる。 食事、運動などによる血糖値の変動を視覚化し、どう食事を摂ったらいいか、運動のタイミングの提案など、一人ひとりに合わせた指導をしている。 糖尿病のコントロール 主治医はあなた自身! 血糖コントロールの基本は、食事と運動。生活習慣を見直し、必要な量をバランスよく食べることと、無理なく楽しめる運動(食後がベター)の継続がカギだ。 治療の3本柱 1.食事療法2.運動療法ウォーキング・ラジオ体 操などの有酸素運動& スクワット・腹筋などの 筋肉トレーニング3.薬物療法 健診で異常を指摘されたら放置しないでください。早期に治療介入することで、血糖コントロールが容易になり、合併症の進行を防ぐことができます。 糖尿病内科部長 石塚 健医師 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、 日本糖尿病学会専門医・研修指導医※奈良県糖尿病診療ネットワーク専門医協 議会に参加、地域の糖尿病診療(治療方 針や合併症検査)をサポート中 ■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1https://www.nishinokyo.or.jp/ *yomiっこ2020年12月号に掲載の情報です