メディカル最前線vol.50 西の京病院 リウマチ科 メディカル最前線 2023.1.18 やーさん 治療のタイミングを逃さないで!治療しないと寿命が10年縮む! 手がこわばる、関節が腫れて痛いなどの症状が多い関節リウマチは、自己免疫疾患の一つで、関節の軟骨や骨が破壊され、機能が悪くなり、放っておくと変形する病気。2000年頃から治療薬の開発が進み、様々な症状に応じた新薬の成果が目覚ましい。そうした患者の早期発見・早期治療で効果を上げている西の京病院で「手のリウマチ」について話を伺った。 整形外科副部長・人工関節センター 副センター長 城﨑 和久 医師/KIZAKI KAZUHISA 診断基準にピッタリとはまらない患者さんもあり、他院で受け入れてもらえない患者さんの相談も受けています。それとネット検索のし過ぎ(自己判断)は禁物! 専門家に早めの受診を。 先生の健康法 1年前、車通勤を電車+徒歩通勤に、外食を内食に変えて体重減。体調を維持しています♪ ■関節リウマチの症状と原因 リウマチの発症のピークは、過去の30~50歳代から40~60歳代へと高年齢化しており、男女比も女性対男性が4対1から年齢が上がるにつれてほぼ1対1になってきた。これは環境要因(食べ物や生活様式の変化)によるものとのことだ。 【症状】両手のこわばり、手指や足趾など小さな関節の腫れや痛み、時に膝などの大きな関節にも出現、微熱や倦怠感などを伴うことも。指が曲がったり反ったりと変形、日常生活に支障をきたし、美容面での悩みも生じる。 【原因】自己免疫異常(疾患)により、自分の細胞や組織を攻撃するため。 ■診断 問診で関節とその周辺症状を詳細に触診、画像(レントゲン)、血液検査とエコーで、炎症の程度や状態を診た結果と、節々の腫れや炎症が6週間以上持続するかなどで総合判断。 ■治療 治療目標は、①日常生活動作を改善 ②今ある痛みを取り除く ③関節破壊の進行を止めるの3本柱で、症状の安定&病状の進行停止「寛解」へ導くこと。 ●基礎療法 健康維持と関節に負担をかけない日常生活(骨や筋肉の強化につながる食事や適度な運動療法など)。 Doctor’s comment骨と筋肉は何歳からでも鍛えられる! ●薬物療法 基礎療法+治療薬(非ステロイド性抗消炎鎮痛薬・副腎皮質ホルモン、・抗リウマチ薬、生物学的製剤・JAK阻害薬)などから「当院では、患者さんの持病(肝炎、呼吸器疾患、内臓機能など)への副作用を含めた全身チェックの上で、使える薬(飲み薬・注射薬)を個々に処方します」と先生。 ●手術療法 薬物療法でも関節破壊が進み、痛みが続く場合の選択肢では、滑膜切除術や関節形成術、関節固定術、人工関節置換術(美容目的を含む)がある。 ●装具療法 身体的機能を補うプロテクターなどの装具やリーチャーなどの自助具を用いる。 ■予防 日頃から骨と筋肉の強化のほか、「歯周病予防と禁煙は外せません」と先生。 専門医と認定看護師を中心にチームが連携体制で患者のサポート! 整形外科部長・人工関節センター長・リハビリテーションセンター長 内藤 浩平 医師 リウマチ科部長 福居 顕宏 医師 ■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1https://www.nishinokyo.or.jp/