私の夫は63歳だが歯の手入れに余念がない。きっと普通の人よりかなり頑張っていると思う。電動歯ブラシをした後、普通の小さめの歯ブラシと、2種類の歯間ブラシを使って磨き残しを処理し、最後にデンタルリンスで仕上げる。
出張時も旅行中も常にこのセットを持ち歩き、必ずトイレの洗面所で歯を磨く。こんなにケアしているなら80歳時に20本歯を残そうという「80-20」運動も楽々ではないかと思う。夫の手入れのきっかけは、義父が歯医者嫌いで結局入れ歯になり、不自由する姿を見ていたからだ。
だが、歯だけでは保てそうにない「落とし穴」があることを、yomiっこの読者ならご存じだろう。何度か特集をしたことがあるが、「歯」に加えて「舌」を含めた口全体のケアなのだ。
百歳まで自分の歯でしっかりおいしい食事をするには、「歯」と「舌」と口の周りの「筋肉」が大事だ。
もっと言えば、喉を鍛えることも大切だろう。知人が胃ろうをせざるを得なくなったが、「喉の筋肉さえあればしなくてよかったのに、飲み込む力がなくなって胃ろうをした」というのを聞いて、筋肉ってどこでも大切なのだと痛感した。舌も筋肉である。筋肉はつながっているので、舌の筋肉、喉の筋肉だけ鍛えようとするのではなく、全身を動かすラジオ体操などは欠かさず行いたい。
舌を鍛えるには「あいうべ体操」が有名だが、一番のポイントは「おしゃべり」であること。人と会って一緒に食事をしたり、しゃべったりすることで、口の健康にも気遣うし、脳の活性化にもつながる。
皆様、ちょっとしたことに気を付けて、今年も元気で過ごしましょう!
よみっこ編集長 朝廣 佳子