メディカル最前線vol.72 関節リウマチ、合併症を考慮して

一人ひとりに合った個別の治療薬

手がこわばる、関節が腫れて痛いなどの症状が多い関節リウマチは、自己免疫疾患の一つで、関節の破壊・変形から機能障害に至る病気。近年治療薬の開発が進み、新薬の成果が目覚ましいが、患者の高齢化に伴う合併症への副作用などをかんがみた治療が重要になってきた。そうした患者の個別対応で効果を上げている西の京病院リウマチ科部長の城﨑和久医師に話をうかがった。

リウマチ科部長

城﨑 和久 医師/KIZAKI KAZUHISA

診断基準にピッタリとはまらない患者さんもあります。そういったグレーゾーンの患者さんを取りこぼさないようにしています。他院で受け入れてもらえない患者さんの相談も受けています。

先生の健康法
車通勤を電車+徒歩通勤、外食を内食に変えて体調維持。 最近は料理など家事も分担してますよ♪

■関節リウマチの症状と原因

関節リウマチは、主に手足の関節で起こるが、肺や血液などの内臓障害を起こすこともあるという。日本での患者数は、30歳以上の人口の1%(約70万人)で、60歳代の発病が多く、高齢化している。男女比も過去には女性が男性の3倍多かったが、高齢発症では男女差は同比率。

【症状】
両手のこわばり、手指や足趾など小さな関節の腫れや痛み、時に膝などの大きな関節にも出現、微熱や倦怠感、息切れなどを伴うことも。指が曲がったり反ったりと変形、日常生活に支障をきたし、美容面での悩みも生じる。

【原因】
原因は、自己免疫異常(疾患)により自分の細胞や組織を攻撃するため。未確定だが遺伝子の異常や感染した微生物の影響ではないかということなのと、喫煙と歯周病はリウマチ発症のスイッチの一つにあたるとされる。

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■診断

診断は、関節とその周辺症状を詳細に問診・触診、X線撮影、血液検査、MRI等の画像検査などで総合判断

■治療

◆ 基礎療法・・・

健康維持と関節に負担をかけない日常生活(骨や筋肉の強化につながる食事や適度な運動療法など)。

骨と筋肉は何歳からでも鍛えられる!
◆ 薬物療法・・・

メトトレキサートを含めた抗リウマチ薬による飲み薬の治療が標準的だが、患者それぞれの内科的合併症などを考慮して使う薬剤を決める。
(内科的合併症…特に骨粗鬆症や慢性腎臓病など)

かつてはステロイド剤や痛み止めによる治療が主流だったが、2003年から生物学的製剤(注射薬)により治療方法が劇的に進歩。関節破壊の進行や変形を止めることが可能となってきている。
同院では生物学的製剤の自己注射のほか、院内の化学療法室で点滴治療にも対応している。

◆ 手術療法・・・
関節破壊が進み、痛みが続く場合の選択肢では、滑膜切除術や関節形成術、関節固定術、人工関節置換術(美容目的を含む)がある。
◆ 装具療法
\\ 専門医に早めの受診を!//

※詳しくは病院のHP「リウマチ科」で。
▶︎こちらから

専門医と認定看護師を中心にチームが連携体制で患者のサポート!

副院長 兼/整形外科部長
兼/リハビリテーションセンター長

内藤 浩平 医師/NAITO KOHEI

一言で「痔」といってもどのタイプに当たるかは診ないとわからず、治療法も異なります。がんのような病気が隠れていることもあります。早期に治せば、それだけ悩みも短期間で済みます。実は僕も若い頃、手術しています!
Doctor’s comment
ステロイドは悪のように思われがちですが、総量規制(症状の軽いうちに少量で!)とタイミングよく使うことが大切です。

リウマチ科(事前予約制)
患者支援センター TEL.0742-35-2219

【 リウマチ教室 】 年1回開催(予約不要・参加無料)

■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 奈良市六条町102-1/
https://www.nishinokyo.or.jp/

基本情報 Basic Information
西の京病院/にしのきょうびょういん
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