「痔」の日帰り手術も可能に
おしりを診察される恥ずかしさや治療に対する不安から人知れず悩み、市販薬などで凌いで受診を先延ばしにし、逆に悪化させている人も多いという「痔」。的確な診断と治療で患者の苦痛を軽減している西の京病院の岡内博外科部長と・髙城武嗣副部長の両先生に、病気の正しい知識と負担の少ない日帰り手術について話を伺った。
副部長
髙城 武嗣 医師/TAKAGI TAKESHI
痔
は大きく3タイプ
治療法は、規則正しい排便習慣や食生活の改善などの生活療法が基本。
症状が軽い場合は、外用薬(座薬・軟膏)や内服薬を用いる薬物療法を行うが、病状が進んでいる場合は手術療法を行う。
■日帰り治療 ― 硬化療法 ALTA(アルタ)療法
歯状線より上(内側)にできたものを「内痔核」、下(外側)にできたものを「外痔核」と呼ぶ。
\ 日曜は自宅静養♪ /
内核痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法。切り取る手術と違い、局所麻酔で痔核への注射なので、処置時間は20~30分。事前検査や投与後の安静時間(麻酔が覚めるまで)を含めても3時間程度なので、仕事で休みを取りにくい人などに好評だという。
■外痔核・裂肛・痔瘻とその治療
外痔核…血栓(血の塊)ができ、腫れて痛む。薬で治るが大きく痛みの強いものは、血栓を取り除くか手術する。
裂肛(切れ痔)…硬い便の通過で肛門の皮膚が切れたり裂けたりしたもの。排便時に痛みがあり、少量の出血がある。進行すると排便後にも痛みが続く。痔瘻になったり肛門が狭くなったりすることもある。手術には括約筋切開術や肛門皮膚移動術がある。
痔瘻(あな痔)肛門周囲膿瘍…肛門の奥から細菌が入り、肛門周囲が化膿したもの。周りに膿がたまり、それが外に流れ出るトンネルができてしまった状態で発熱や痛みを伴う。
痔瘻は薬では治らず、化膿を繰り返すうちにがん化するものも。手術には瘻管開放術、瘻管切開術、痔瘻結紮療法等がある。
予
防と再発防止
規則正しい排便習慣
おしりを清潔に
おしりをいたわろう
\ 触診でがんを見つけたこともあります。/
\ 見つけたこともあります。/
部長
岡内 博 医師 /OKAUCHI HIROSHI(写真下段中央)
■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 奈良市六条町102-1/
https://www.nishinokyo.or.jp/