【お悩み】般若心経について質問します
(奈良市 むっちゃん)
意味を知らなくても大丈夫です。
お経には唱える功徳というものがあります。お経を見るだけで心が洗われ、聞くだけで魂が昇天すると言われております。さらに写経するとその功徳は計り知れないと。だから和尚さんはお経を唱えるのです!
京都の大覚寺で残っている御写経は、818年に疫病が流行り、時の帝の嵯峨天皇様が紺紙に金泥で写経され、平穏祈願をされたそうです。たちまちにご利益が現れ疫病は終息、その後も歴代の天皇様は天災のたびに写経奉納されています。
その嵯峨天皇の御写経は、60年に1度ご開帳されていて2018年に拝みに行きましたが、金泥は無残にはげて見えにくくなっておりました。何故かと言うと疫病が流行るたびに、各天皇がこっそりその封を開け、金を薬として飲んだそうです! それほどご利益があるそうです。
そして『西遊記』で有名な中国の玄奘三蔵が、多くの経典を命がけでインドから持ち帰り、『般若心経』の翻訳も果たしました。さらに弟子らがインドから日本まで命がけで運んだのです。そこには私たちでは理解し難いほどの人々の命と思い、念がこもっています。このお経で幸せになってほしいと言う強い気持ちが2500年続いたものです。その中にたくさんの力があるのも当たり前でしょう。私のところに来るほとんどの方がこの般若心経を唱えられます。よく聞く話に、『朝拝んでいると最初の頃は電話がなったり、来客があったり邪魔が入ります。しかしそれでも続けていると拝んでいる時は邪魔が入らなくなるから不思議です』と言っておられます。
またある方は『和尚さんに言われて、1年間毎日唱えるようになってから、もめ事に巻き込まれなくなりました』と、そしてまた出会った時『唱えるときに良くなるイメージをして唱えたら良い』と言われて実践してみると、『この1年間本当に良いことが起きるようになりました』と感謝されていました。
このように般若心経とは意味を知らなくても、毎日唱えられなくても、少しそのお経に触れるだけで必ず功徳があります。
そして、仏様に届けるのだけではなく、自分の心の中の仏心(花)に水をあげることにもなります。その力は必ず自分に返ってきます。そして幸せが未来に続くのです!
大塚 知明 師
当山派修験大先達