メディカル最前線vol.61 目の健康がQOL(生活の質)を守る メディカル最前線 2023.12.20 やーさん 【眼科 】アイフレイルの早期発見&早期予防・治療! 高齢化時代を健全に過ごすには、目の健康をおろそかにできない。視力の低下は、日常生活が不便になる上、読書や映画、旅行の楽しみも減り、思わぬケガも増える。生活のクオリティー向上と災害時も視野に入れた眼の健康に留意したいものだ。白内障、網膜硝子体手術のエキスパート、西の京病院眼科の伊藤 暁部長に話を伺った。 眼科部長 伊藤 暁 医師/ITO SATORU 今まで頑張ってきた目や見え方に異常はないか、自分の目に関心を持って、生活の質を維持しましょう。時々“片目でモノを見る”というセルフチェックを! 先生の健康法 週2回はジムで筋トレしているせいか、体脂肪は10%前半を維持しています。目は老眼世代に入りましたが(笑) ■白内障手術 日帰り・世界最小の切開創 白内障は、進行するとレンズが光を通さなくなり視力の低下やぼやけ、かすみなどを感じ、日常生活にも支障を来す。そこで手術が必要となるわけだが、手術は局所麻酔(目薬)下で顕微鏡を使って行い、痛みもほとんどなく、傷口も約2㍉前後と非常に小さい。超音波で濁った水晶体を取り除き、眼内レンズ(ループ込みで10㍉程度)を挿入する。その時間はわずか10分ぐらいで、日帰りでも入院でも可能だ。 ■一生モノの裸眼視力を回復♪ 多焦点眼内レンズでQOLの向上 今までは遠方か近方いずれかがよく見える単焦点眼内レンズを用いることが多かったが、近年は生活の質の向上のために多焦点眼内レンズの装着が増えている。 多焦点眼内レンズには、遠くと近くが同時にクリアに見える2焦点レンズや遠中近のすべてが同時にクリアに見える3焦点レンズがある。視機能の衰え(アイフレイル)は日常生活の制限につながり、ひいては健康寿命の短縮にもつながる。自分の生活のシーンに合わせたレンズを選ぶことが大切だ。 Doctor's comment 患者が望まれる見え方を丁寧にシミュレーション(※乱視矯正用もあり) ■多焦点レンズ、選定療養で従来の半額以下に 従来は保険適用外の先進医療だったが2020年4月から選定療養が可能になり、多焦点レンズが種類によっては以前の半額以下となった。日常生活の快適性はもとより、災害時やとっさの場合、メガネやコンタクトレンズの装着といった手間や不安は解消されることなど、検討の価値はありそうだ。 Doctor's comment 水晶体自体が外れたり、緑内障や糖尿病がらみだったりの難治性白内障にも対応します。 \皆さんのアイフレイルのお悩み解消をサポートします/ 緑内障や黄斑変性・ドライアイなどもご相談を。網膜剥離などの緊急手術にも即対応! 診察日:月曜〜金曜の午前 ※午後は予約診療のみ ■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219 ■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 奈良市六条町102-1/ https://www.nishinokyo.or.jp/