メディカル最前線vol.55 苦痛のない内視鏡診療で消化器疾患を早期発見・治療! メディカル最前線 2023.6.20 やーさん 日本人の2人に1人はがんに罹ると言われており、その死亡原因の第2位が大腸がん、3位が胃がん(1位は肺がん)だ。早期発見・治療でがんは治る時代! そこで消化器がんの早期発見に有力で確実、かつ苦痛のない内視鏡検査について、検査実績年間7,000件超の内視鏡学会認定施設・西の京病院消化器内視鏡センターで塩谷 淳先生に話を伺った。 ■新型コロナ(外出自粛)で検査控えのツケ 新型コロナウイルスのパンデミックにより、医療機関の受診に消極的な人が増え、がんの発見が遅れているのではないかと懸念する報告がある。一部の統計では2020年~2021年でステージⅠの胃がんが減少、ステージⅣは変化なしとある。これは自覚症状がない初期がんが検査控えにより発見されなかったことを示すのでは、というものだ。 ■内視鏡検査で早期がんの治療・完治も 「胃がん・大腸がん共に、早期発見によって内視鏡治療・完治が可能です。つまり、内視鏡検査中に患部を切除するので、改めての開腹不要・臓器温存ができるということです」と先生。積極的な検査が望まれる。 内視鏡検査のメリット 胃カメラ バリウム検査では見つからない凹凸のない食道がん・胃がんを早期に発見可能。ピロリ菌の有無も識別でき、胃がん罹患リスクの予測と予防に役立てられる。 大腸カメラ 大腸ポリープ切除が可能。大腸ポリープは「前がん状態」ともいえる病態であり、欧米からの報告では発がんに関わるとされる大腸線種性ポリープを全て切除することにより、76~90%の大腸がん抑制効果が得られたとされている。 \検査だけでなく、治療も兼ねられ、必要以上の生検もない!/ ■高い精度と安全性、痛みを伴わない鎮静下内視鏡検査。胃と大腸の同日検査も可 胃カメラ・大腸カメラ共に、より正確な診断に至るためには、特殊光を当てて拡大ズーム機能による画像強調観察が有用だが、スコープ径が太くなり、身体的負担が大きい。そこで同院では、患者の精神的・身体的負担を取り除くため鎮静下での画面強調観察を行っている。 最新鋭のハイビジョンカメラを用いた鎮静下内視鏡検査は、精度も高く、私たち医師は従来よりも短い時間でより的確な診断ができます。 鎮静下とは、麻酔を使った状態のことで、その麻酔は効きが早く、醒めた後はすっと消えるタイプ。リカバリールームで休息、覚醒後の帰宅となるので車で来院した人でも安心だ。また胃と大腸の同日検査(要日程調整)もでき、1回の来院で済む。 検査室の拡大とリカバリールーム完備、検査待機室の充実 下剤処置中の検査待機室 検査室とリカバリールームの増設で、検査の流れがよりスムーズ、プライバシーも配慮 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)についてもご相談ください! 検査担当医は10年以上の経験を持った内視鏡専門医。主に画像強調観察可能なスコープを用い、鎮静下で検査を行います。受診者の苦痛もなく、我々も診断に集中できます。 副院長・消化器内科部長塩谷 淳 医師 消化器内視鏡センター長松本 信之 医師 西尾 昭宏 医師 川端 一美 医師 【内視鏡検査】●診療:月曜~土曜の午前・午後●予約専用ダイヤル TEL.0742-35-1215 ■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1https://www.nishinokyo.or.jp/