メディカル最前線vol.54 歯は健康寿命に大きく影響!健全で高機能な口腔を維持しよう メディカル最前線 2023.5.20 やーさん 「生涯にわたり、お口の健康を守るお手伝いをします」を信条に、診療を行う西の京病院・歯科の中塚伊知郎先生。“歯科疾患・口腔の健全性は、全身の健康・疾患とシンクロする”として、院内医師や地域の医療機関との連携で、様々な合併症治療に当たる。 中塚 伊知郎 医長 長寿社会になり、口の健康の重要性がますます高まっています。“健全で高機能を持つ口腔を保つ”ことが健康寿命につながります。 青野 陽 医長 吉元 智香子 医師 ■食いしばり・歯ぎしりのリスクと原因はこれ! 食いしばりや歯ぎしりの主な原因はストレスで、交感神経が優位に立ち、歯の周りの筋肉が緊張して起こる。またかみ合わせの不具合から強まる場合もあるとのこと。それらが長く続くと、歯が押されて起こる歯痛、歯周病の悪化、顎関節痛など、口やあごにダメージを与えることがある。さらには頭痛や肩こりなど負のサイクルが広がっていきかねない。 ■食いしばり・歯ぎしりの改善はこれ! 舌の形状や歯の傷み具合など食いしばりや歯ぎしりが原因と思われる症例には、歯に加わる力の負担を緩和させるためマウスピースの着用などを行うと同時に、日常で心身の緊張をほぐすことを意識するようアドバイスするそうだ。 ■歯周病は万病のもと 30歳以上の日本人成人の80%が罹患しているといわれる歯周病。歯周病は、その歯や菌の毒素、炎症性物質が血流に乗って全身を巡り、いろいろな病気の発症と関連しているとされる。「日々の正しいブラッシングと、歯科医での定期的なケアで健全な歯と口腔環境の維持に努めることが大切です」と先生。 ■定期健診で口腔環境を健全に。トラブルの未然チェックも! 歯科では、歯周ポケットの状態や磨き残しをマークし、歯垢や歯石を取り除いてクリーンにしてくれる。さらに、食いしばりや歯ぎしりの痕跡チェックなど、患者それぞれのウィークポイントに対する手入れ法(歯磨きのコツや生活習慣指導など)へのアドバイスを行う。 \口腔管理の充実のため、歯周病治療の歯科衛生士は担当制/ ■口腔内掃除のスグレモノ「GBTエアフロ―法」 同院では、歯周病の原因となる細菌の塊(バイオフィルム)を短時間で効率よく除去できるGBT(Guided Biofilm Therapy)治療を行う。歯周ポケットの深さに合わせたチップを使い、細かい粉交じりのエアフロ―で歯垢や歯石を除去できるスグレモノだ。 歯と歯茎にやさしく、的確にバイ菌の除去 医療法人 康仁会 西の京病院 歯科 TEL.0742-35-1117奈良市七条町95-1 メディカルプラザ薬師西の京3F ■時 間:9時〜12時30分、14時〜18時15分(土曜は13時30分まで)●予約優先制■休診日:木・日曜、祝日■受 付:診療終了時刻の30分前まで ●安心して治療を受けていただけるよう、使用する器材は適切に滅菌・消毒しています。●痛みやストレスの少ない治療を心がけています。 ■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1https://www.nishinokyo.or.jp/