広大な領域、悠久の歴史をもつインドにおいて、ヒンドゥー教が多くの人々にとって精神文化の柱であり続けてきました。 ヒンドゥー教は 現代でもインドの人々の習慣、社会制度、芸術な どとも深い関わりを持っています。
本展では館蔵資料の中から神々の姿を表した神像、宗教画に注目して、ヒンドゥー教にはどういっ た神々が存在し、どんな神話があるのかを探って みたいと思います。 また祭祀の道具や仮面、 楽器 など、祈りや芸能のかたちを通して、インドの人々 の信仰が基となる生活の一端をご紹介します。 さ らに神々や神話は海を超え、 東南アジアにも伝播しました。 こうした広がりも本展の見どころの一つ です。
ヒンドゥーの世界はなかなか馴染みの無いものか もしれませんが、グローバル化が進んだ今日、様々 な宗教を信仰する人々と接する機会も増えてきて います。 本展がインドの宗教的知識を深め、 異文化理解の一助になることを期待します。

第93回企画展「インドのヒンドゥー世界」