編集長のメッセージ(2月)

皆さんは今年、どんなお正月を迎えただろうか。
私は元旦に氏神様とお墓にお詣りし、テレビを見ながらひたすら年賀状書き。2日から大阪、滋賀に宿泊してミニトリップ感を満喫。奈良のゴールデンラインである春日大社、東大寺にも後日参拝した。
お正月にそんなにゆっくりテレビを見ることがないが、改めて再放送ばかりのチャンネルに驚いた。確かに数年前からドラマやアニメの一挙再放送が増えた気がする。
昭和の時代はお正月特番といえば、新春スターかくし芸大会とか、全日本仮装大賞など特別に制作したものが主流だった。それを家族全員でこたつに入って観る。今思えばばかばかしいところも多かったが、全力で取り組んでいるところに感動することもあった。
思い返せばインターネットのない時代。娯楽といえばテレビで、テレビを皆で観ることで家族のコミュニケーションが取れていたと思う。
今はインターネットとスマホの台頭で、個人がスマホで誰に遠慮することなく好きな時に好きなものを観られる。その解放感は秀逸だ。さらに衛星放送や動画チャンネル、ネットフリックスなどの登場で、好きな映画やアニメ、スポーツ番組なども存分に観られる。
観られるんだけど、このちょっと寂しい気持ちは何だろう。私が思うにバラエティーにしろ自然環境番組にしろ、魂をかけたような壮大なものがなくなってしまったからではないかと思う。
今年はラジオから始まった日本の放送が100年を迎えるという。当然様変わりし、今はテレビ離れすら言われる時代だ。だが何か大切なものが失われていくような、あの熱量に出会えなくなった寂しさといおうか。
というわけで、私はこのお正月、録画した『鬼平犯科帳』と、大晦日から連日再放送された『孤独のグルメ』で過ごした。だがこれらを再びじっくり観られるのもいいのではないかと最後は妙に納得したのである。

よみっこ編集長 朝廣 佳子

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