〈奈良市〉砂栽培で育てた「近大ICTメロン(帯解メロン)」の収穫にお邪魔しました♪(MYPユニバーサル農園)

おいしいメロン約2,000個ができました

奈良市今市町にあるMYPユニバーサル農園(運営:NPO法人エムワイピー農場)では、近畿大学農学部(奈良市中町)と萩原農場(磯城郡田原本町)と産学連携し、2024年4月からメロン栽培に取り組んでいます。

そのメロンの初収穫が始まったと聞きつけ、編集部のyuzuが早速お邪魔してきました。

同農園は、奈良市の南部、JR帯解おびとけ駅から西へ徒歩7分の場所にあります。今夏、3棟あるハウスに定植された2,100株の苗から約2,000個のメロンがたわわに実りました。現地を訪れると、ちょうど皆さんが、メロンを一つずつ丁寧に摘んだり、収穫後の苗を撤去したりと、手分けして作業されていました。

近畿大学農学部と萩原農場と提携してメロン栽培に挑戦

“MYPユニバーサル農園では、農業と福祉が融合した「農福連携」事業を通じて、障がい者の社会参画や、多世代多属性の交流を生み出しています。同農園に関連する就労継続支援B型事業所(MYP食品作業所)の利用者が農作業に従事し、昨年まではハウス内にてリーフレタスの砂栽培を行ってきました。
今回のメロン栽培では“近畿大学農学部と、奈良で100年以上続くスイカやメロンの専門種苗会社の萩原農場が全面協力。同大学が開発した農業初心者でも管理しやすい「MYP×近大ICTユニバーサル農法」を用いて栽培され、収穫されたメロンは、「近大ICTメロン(帯解おびとけメロン)」と命名しました。

実は、近大では露地栽培の経験しかなく「初めてメロンを砂で育てる」ことに興味津々でした。うまくいくか不安でしたが、たくさん実ったメロンを見て、なら近大農法を指導した野々村照雄教授も「初めてにしてはとっても良く育った」と驚かれたそうです。

砂栽培のメリットは連作しやすいこと。露地栽培だと、害虫や病気、土の養分に偏りが出るなど、連作障害が起きやすいですが、砂は土より粒子が大きいので隙間が大きく通気性や水はけもよく、虫や菌などの悪いものが付きにくい。だから連作も可能なんだとか。

メロンの育て方は、春植えだと、4月上旬に苗を植え→2〜3週間後に黄色い花が咲き→受粉作業(今回はミツバチによる花粉交配)→ 脇芽かき → 摘果 → 約4か月後の7月上旬に収穫 といった流れです。ちなみに、水や液肥は機械で毎日5回、自動的に供給されます。すごいですね。

気になるメロン、実際に試食もさせていただきました。甘くてジューシー、とってもおいしいです。聞けば、平均糖度は12〜16度で、大きさが3キロを超える立派な個体もあるとのこと。なかでも2kg以上、糖度15度以上の最高峰メロン(限定10個)は、化粧箱に入れて贈答品として販売されます(事前予約制)。

そのままでも十分おいしいですが、キズ・形・大きさが規格外の個体は、ジェラートや餃子などの加工品に使われるそうです。メロン餃子、とっても気になります…。

最後に、農園長の藤岡将悟さんにお話を伺いました。

Q1:メロン栽培で大変だったことは?
不要な実や形の悪い実を摘む『摘果』作業です。今回、一度に苗を植えたため、実になるのも同時期。急がないと栄養が分散してしまい、必要な実に栄養がいかなくなる。3ハウス2,100株を手作業で行うのが大変でした。特に、同じ見た目、同じ大きさの実が2個あった際に、どちらを残すかとても悩みましたね。

Q2:印象に残ったこと、感動したことは?
初めはツルツルと小さく丸く、本当にメロンができるのかと不安でしたが、実が徐々に膨らんでいき、表面に網目が出た時は、スタッフと利用者みんなで「ヤッター」と喜び合いました。

Q3:利用者さんの反応は?
皆さん、土や植物に触れて、イキイキと楽しく作業されていますね。一つの事をお任せすると、責任をもって取り組まれます。夏のハウスは暑いので、時間を短く区切って、水分補給をしっかり摂ってもらうよう気を付けています。

同農園では今後、収穫時期にあわせて、メロン狩りやメロン食べ放題、ジェラートなどを提供されていかれるとのこと。新大宮にある同グループの「蕎麦処二条」や「生餃子製造直売所」でもメロン、ジェラート、餃子を販売予定です。

実際、農園付近の住民の方も注目されているようで、収穫前から「いつ買えるの?」といった問い合わせも多かったとか。

気になる「近大ICTメロン(帯解メロン)」については、以下から問い合わせください。今後は8月にメロンの苗を植え、秋収穫も予定しているそう。秋が待ち遠しいです♪
基本情報 Basic Information
MYPユニバーサル農園
  • 住所: 奈良市今市町543-1
  • TEL: 0742-36-8490(NPO法人エムワイピー農場)
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