〈奈良市〉春を告げる古都の伝統行事『若草山焼き』(1/25)

燃え上がる若草山の壮観と大花火が鮮やかな
古都奈良の冬の風物詩

古都奈良に早春を告げる伝統行事として毎年1月の第4土曜日に行われる「若草山焼き」。春日大社・興福寺・東大寺の神仏が習合し、先人の霊魂と慰霊、奈良全体の防火と世界の人々の平和を祈る炎の祭典です。

2025年は1月25日(土)の開催。当日は山焼き行事のほか、山麓イベントとして特大鹿せんべいを若草山から飛ばす「鹿せんべいとばし大会」や、昼夜2部制でピアノやヴァイオリン、篠笛、和太鼓といった様々な音楽の奉納演奏も行われます。

山焼きの起こりは“放火事件”?

若草山の頂上には鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)という前方後円墳があり、その昔、このお墓から幽霊が出て人々を怖がらせるけれど、山を焼くと幽霊が出なくなるらしい、また翌年1月頃までに山を焼かないとよくないことが起きるらしいといった迷信が伝わっていました。

この言い伝えから山を通る人が勝手に火を付けるようになり、東大寺境内に火が迫る事件も再三起こりました。1738年に奈良奉行所は放火禁止の札を立てるも放火は絶えず。そのため江戸末期には東大寺・興福寺と奈良奉行所が立ち会って山焼きが行われるようになったといいます。

若草山焼きの流れ

若草山焼き行事は16時45分からの『御神火奉戴祭』から始まります。この祭では春日大社境内・飛火野で行われている「春日の大とんど」から火をもらい受ける祭礼を行います。

御神火は、金峯山寺の山伏による法螺集に先導され、春日大社・興福寺・東大寺、奈良奉行所の役人総勢約40名による時代行列(聖火行列)と共に野上神社へと運ばれます。

野上神社にいたる道中、水谷神社付近に設けた松明点火場で御神火を松明に点火。神社に到着後かがり火に点火され、山焼き行事の無事を祈願する祭礼が行われます。

続いて法楽として興福寺・東大寺の僧侶による読経のなか、山麓中央の大かがり火に火がつけられます。

野上神社での祭礼の後、18時15分からは大花火の打ち上げ。若草山焼きで打ち上げられる花火は奈良県内でも珍しい尺玉。奈良県最大級ともいわれる花火が冬の夜空を彩ります。

そして18時30分から行事のクライマックスである山焼き。奈良市消防団員約300人が松明に火を移し、法螺貝・ラッパの合図で一斉点火します。

約33ヘクタール、周囲約3,800メートルの広大な草地が広がる若草山が夜空を焦がすようにダイナミックに燃え上がる様は迫力満点です!

山焼きの鑑賞ポイントは?

臨場感あふれる若草山山麓もいいですが、離れた所からの遠望もまた良し。奈良公園内浮雲園地や春日野園地のほか、平城宮跡、薬師寺の西側に位置する大池の池畔も撮影スポットとして人気です。また奈良市外では大和郡山市の郡山城天守台展望施設が特別に開放(当日17時~19時、荒天中止)されますよ♪

イベント概要 Event Summary
開催日
2025年1月25日(土)
開催時間
【祭典】16:45~(花火は18:15から15分間、山焼きは18:30~)
【山麓特設ステージ】17:00~
【インフォメーション】13:00~19:00
開催場所
奈良公園 若草山一帯
料金
入山料無料
お問合せ
若草山焼き行事実行委員会
0742-27-8677(奈良県奈良公園室)
■当日の開催案内(自動音声)050-3626-2211
■公式HP https://www3.pref.nara.jp/yamayaki/

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