11月21日[木]

〈奈良みやげ〉奈良の定番米菓、もらったらうれしい高山おかき(高山製菓)

オレンジ色の四角い缶でおなじみ の『高山かきもち』

生駒の山里・高山の名物おかき

鮮やかなオレンジ色の角缶、「心が感じるおいしさは見えるのです」というキャッチフレーズ。奈良県の人なら一度は目にしたことがあるのでは?
多くの人が口にする人気菓子の『高山かきもち』ですが、その誕生は今から約70年前のこと。

当時21歳だった齋二勇治さん(初代社長/故人)は、1人で餅を搗(つ)いてかきもちを作り、それを焼いては自転車で量り売りの行商を始めました。改造した荷台に1斗缶10個を積んで、生駒・高山の里から大和郡山や大阪方面まで売り歩いたといいます。

家族経営の地道な努力で従業員も徐々に増え、有限会社、株式会社へと成長。オイルショックや米不足に泣きましたが、昭和62年に長男の忠彦氏(二代目社長/故人)が家業に従事することに。

茶筌の里・高山の冬の風物詩「竹の寒干し」

卸から製造直売へ、人気NO.1 屋台骨の『ころもち』誕生

勇治さんの発案で、朱にかきもち屋の昔絵を配した進物缶を発売、それまでの卸売りを止め、工場直売に。「卸→小売」が省かれ、中間マージンがない分、安価で出来たてのおかきが買えると口コミで広まり、売り上げは少しずつ伸びていきました。

画期的だったのは、昭和57年の「高周波焼き機」の導入です。当時約4千万円したその加熱機械は、電子レンジと同原理で、分厚い生地も中までふっくらさっくり焼けるというもの。失敗すれば大借金を抱えて倒産か? という、社運をかけた挑戦だったそうです。焼き加減や味付けの試行錯誤に数年を費やし、サラダ味の『蓬莱』が完成。そしてそれをより食べやすく一口大にした『ころもち』が爆発的にヒット。売り上げNO.1の看板商品になりました。

衛生管理と労働意識の共有、消費者の笑顔を思い浮かべながら製造

昔はどこの家庭でも作った定番米菓。材料はもち米と塩、しょう油、砂糖にマヨネーズ、梅などの調味料と、エビ、海苔や豆などのシンプル食材です。だからこそ、安全・安心と品質が問われます。同社のもち米は佐賀県産が主流、調味料類は国産のものを、価格とにらめっこで最良のものが使われています。

もち米を砕き、浸水して蒸し、搗いて成型し、カットして乾かす。それを焼いて味付けする。各工程がオートメーション化されているものの、要所に人の手と目、そして熟練の勘が欠かせません。

食品を作る上での衛生管理の徹底はもちろん、事務室の社是に始まり工場の壁やドアなど至る所に、ユニークさも加わった標語が掲げられ、「製造業者としての使命感・責任感を持って、消費者に喜ばれる商品作りを」と皆に呼びかけます。

サクッと香ばしい薄塩サラダ味で人気NO.1「ころもち」

かきもち製造ライン

❶もち米の洗米・浸水→❷蒸し→❸搗き→❹型枠・冷却→❺カット→❻乾燥→❼焼き→❽味付け→❾包装・袋詰め

搗き
焼き
味付け
蒸し
一見オートラインのように見えるけど、製造ラインの随所で人の手が入り、形や焼き加減、味のつき具合など、出来上がりの品質が守られているんです!
三代目社長 齋二隼さん

“心込めて丁寧に焼き上げたおかきを、より安く”という、先代からの方針を守り、消費者の皆さんに喜んでいただきたい。奈良県ではちょこちょこ目にしていただくあの缶が、日本全国、どこでも目に入るようになることを願い、家族や従業員の皆と一緒に地道に努力していきたいです。

工場直売所
基本情報 Basic Information
高山製菓 株式会社/たかやませいか かぶしきがいしゃ
  • 住所: 生駒市高山町6785
  • 営業時間: 8:00〜17:00
  • 定休日: 日曜、祝日、年末年始、お盆
  • 駐車場: あり
  • TEL: 0120-6666-11
  • HP: https://www.takayamaseika.co.jp/index.html
  • SNS:

人気記事とあなたへのおすすめ