2021.10.13 鮎 【高取町】高取城跡 ●たかとりじょうせき どんなお城? 高取山(583.9m)山頂に築かれた城で、越智氏、本多家、植村家などが歴代城主を務めました。城内周囲が約3㎞、郭内周囲は約30㎞にも及ぶ広大な山城で、備中松山城(岡山県)、美濃岩村城(岐阜県)と並ぶ「日本三大山城」の一つに数えられています。昭和28年(1953)に国史跡、平成18年(2006)に日本100名城に認定されています。 かき揚げ城から日本最強の城に 「日本最強の城」といわれる高取城ですが、もとは元弘2年(1332)に越智邦澄が、貝吹山城の支城として築いたお城でした。当初は中世城郭によくみられる掻き揚げ城(簡単な堀と土塁で築かれた城)でした。天正8年(1580)織田信長の命により廃城となりましたが、本能寺の変(1582)で信長が倒れると、筒井順慶が郡山城の詰城として再建します。近世的な城郭へと整備・拡張が行われたのは天正13年(1585)頃から。大和国の太守・豊臣秀長の家臣、本多利久が高取城主になると、山城に平城式手法を取り入れた珍しい城が築かれました。城内には大小の天守に27の櫓、33の門を持ち、それらが積み重なる白亜の美しさから「芙蓉城」と呼ばれ、「巽高取雪かとみれば雪でござらぬ土佐の城」とも謳われました。 絶景の櫓跡と、四季が彩る多聞・本丸 国見櫓からの景色 11月下旬の本丸 高取城で最も見ておきたい場所が「国見櫓」と「多門櫓・本丸」です。国見櫓は名の通り、城下や大和国を見張るための櫓のこと。現在は建物はありませんが、眺望は健在。大和平野はもちろん、天候のいい日にはあべのハルカスや六甲山系まで遠望することができます。大手門を抜けると十三間多聞、十五間多聞、そして本丸の石垣群があります。桜や新緑、雪景色など四季折々の顔をみせてくれますが、特におすすめなのが紅葉の季節。11月下旬~12月初旬になると紅葉した木々の葉が地面に落ちて赤いじゅうたんが敷かれたような絶景を楽しむことができます。