2023.12.25 鮎 【葛城市】當麻寺 中之坊 ●たいまでら なかのぼう 中将姫が剃髪した坊とも伝えられ、中将姫導きの観音という十一面観音をまつる 2基の三重塔は、古塔の双塔としては唯一の現存例である。中之坊や奥院などの頭塔はボタンの名所としても有名。寺伝によると、612年(推古20)に用明天皇の皇子麻呂子皇子(当麻皇子)が、河内国交野郡山田郷に二上山万法蔵院禅林寺として創建、その後、681年(天武10)に瑞夢によって、麻呂子皇子の孫の当麻真人国見の手で現在地に移建されたという。 當麻寺は当麻真人国見に代表される当麻氏の氏寺として発展したが、中世には当麻氏が衰退し地方武士となってこの地を去った後も寺運を保てたのは、中将姫伝説と阿弥陀信仰が結びつき、有力な庶民信仰となったためである。 本尊「當麻曼荼羅」は、奈良時代、藤原家の郎女・中将姫が目の当たりにした極楽浄土の光景を表したもので中将姫を守護し導いた「導き観音さま」として今も信仰が篤い。 本堂(国宝) 當麻寺はボタンの名所 毎年5月14日に行われる聖衆来迎練供養会式は「当麻レンゾ」の名で親しまれる。 毎年6月16日は「中将姫髪供養会 諸願祈祷祭」剃髪した中将姫が自分の頭髪を糸にして阿弥陀三尊の梵字を刺しゅうしたという故事にちなんだ行事。髪などに感謝して心身の健康と心願成就を祈願する。 中将姫ゆかりの寺の片桐石州による名園を望みつつ味わう 石州流の開祖、片桐石州を流祖と仰ぐ茶道とゆかりの深い同院。旧国宝の書院では抹茶が供され、こし餡が入りしっとりとした口当たりの落雁「牡丹」と共に味わえる。大和三名園「香藕園」の端正な佇いを鑑賞後は気軽に一服を。 【MENU】 お抹茶 900円(お茶菓子付き、拝観料含む) 写仏道場の天井には、著名画家が一人一枚ずつ奉納された絵画およそ150点が飾られている