メディカル最前線vol.44 西の京病院 人口関節センター メディカル最前線 2022.5.5 みょ 最新技術&設備で最小侵襲人工股・膝関節手術 軽スポーツなど自由に動ける生活を持続! 高齢化社会を反映し、変形性股関節症・膝関節症で人工関節手術を受ける人が増えている。日本では年間12万人と推計されるという。最新の医療技術と医療設備の導入とで、できるだけ患者に負担の少ないMIS法(極小侵襲手術)で実績を積む西の京病院・人工関節センター長の内藤浩平医師に話を伺った。 *MIS:Minimally Invasive Surgery 整形外科部長・人工関節センター長・リハビリテーションセンター長 内藤 浩平 医師 NAITO KOHEI 整形外科学会専門医、リウマチ学会専門医、リハビリテーション医学会認定臨床医、 骨粗鬆学会認定医 先生の健康法 ロードバイク(スポーツ自転車)で屋外を50~100km走ったり、室内でもロードバイクのペダルを踏んだりしますし、毎日ヘルスメーターで体重や体脂肪の管理をし、筋肉維持に努めています。 ■変形性股関節症・膝関節症 変形性股関節症・膝関節症は、加齢とともに股関節や膝の軟骨がすり減って徐々に変形していく病気で、痛みを感じ、悪化すると歩行困難、日常生活に支障を来すようになる。 ■治療 問診、視診、レントゲンやMRIなどの検査の上で、まずは正確な診断。変形や痛みが比較的軽い場合は、理学療法士の指導下で筋力を強化し、薬などで疼痛の予防改善を行う(温存療法)。痛みが強く日常生活も不自由な場合は、人工関節置換術を検討する。 Doctor’s comment本人が望む生活スタイルを最優先します。「もっとアクティブな生活が送りたい」「家族に負担をかけたくない」という人には、手術を勧めます。 ■画期的な人工関節置換術 ナビゲーション併用のMIS法 人工関節置換術は、すり減った関節表面を金属やセラミックなど人工のものに取り替える手術。従来は、皮膚・筋肉・腱の切開が15~20㌢必要だったが、新技術のMIS法だと6~10㌢で済み、周辺筋肉や神経をほとんど傷つけないので入院期間も3分の1と短縮、患者の負担を大きく軽減できる。 人工股関節置換術はCT画像から術前の三次元手術計画による手術ナビゲーションを用いて最小侵襲手術を実施。人工膝関節置換術は大腿四頭筋を切開しない最小侵襲手術を行うことで、術後早期の歩行機能が回復する。 左右両方の同時手術も可能! 【ナビゲーションシステム】”技術+科学“でより正確な手術! 術前のCT撮影で、その患者に最適な人工関節の大きさやデザイン、設置位置、角度、術後の可動域などをシミュレーション、入念な術前計画をたて、そのナビゲーションシステム下で手術する。手術翌日には、歩行器で歩行訓練開始。定期的に診断や検査を行いながら経過観察へ。 【三次元動作解析】”カッコイイ歩き方“を実現! 術前術後に患者の歩き方を解析。歩行時の足裏の軌跡をモニターに出し、下肢や関節の動きを細かく分析(三次元動作解析)し、患者が満足する歩き方や美しい歩き方の動きを探り、消費エネルギーの低減も目指す。 ■人工関節の耐久年数は30年以上に!! 近年は材質やデザインの飛躍的な進化で30年以上の耐久性が望めるという。ただ人工関節の耐久性を支持するには、丈夫な骨と良質の筋肉が必要。骨粗しょう症の治療と正しい筋トレを怠りなく! Doctor’s comment年齢に上限はなく、私が人工股関節術を行った最高年齢は92歳です。 手術前も骨粗しょう症治療は不可欠 ■正しい筋トレで軽スポーツも 理学療法士の指導下での個別トレーニングで、ウォーキングや水泳をはじめ、リクレーション程度のスポーツを楽しむ人も。 チームでサポート! 習熟した専門医が手術し、看護師理学療法士、薬剤師など病院スタッフがチーム医療で早期の関節機能回復を図り、術後の定期的なフォローアップで、安心な生活をサポート。 整形外科副部長・人工関節センター副センター長 城﨑 和久 医師 KIZAKI KAZUHISA 先生の健康法 昨年8月に着任、車通勤から電車+徒歩通勤、外食から内食にしたら、体重が減り、体調がよくなりました♪ ■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1https://www.nishinokyo.or.jp/