メディカル最前線vol.34 西の京病院 リウマチ科

【リウマチ科】
専門医とチーム連携体制で

手がこわばる、関節が腫れて痛いなどの症状が多い関節リウマチは、自己免疫疾患の一つで、関節の骨の破壊が起こる病気。女性が男性の4倍多く、発症のピークは30〜50歳代とされるが、高齢になってからの発症も増えており、長期的な付き合いが必要な病気だ。”早期発見・早期治療で健康寿命を延ばそう“と、専門医と認定看護師を中心にチームが連携体制で患者のサポートに当たる西の京病院「リウマチ科」で話を伺った。

関節リウマチの症状と原因

【関節リウマチ】…関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が悪くなり、放っておくと関節が変形する病気。

【症状】朝の両手のこわばり、手指や足趾など小さな関節の腫れや痛み、ときに膝などの大きな関節にも出現。微熱や倦怠感などを伴うことも。関節破壊が起こると指が曲がったり反ったりと変形し、日常生活に支障が生じる。

【原因】免疫異常により、自分の細胞や組織を攻撃するため。

診断

関節とその周辺症状を詳細に触診、レントゲンで骨びらん(骨の病変)や壊れ具合(関節破壊)を診る⬇血液検査とエコー(超音波検査)で、炎症の程度や状態をチェック⬇検査の結果と関節の腫れ、炎症が6週間以上持続などで総合判断。

■関節の破壊は関節リウマチ発症後、早期(1~2年)に急速に進む!

治療【関節リウマチ治療の目標】

【基礎療法】健康維持と関節に負担をかけない日常生活
【薬物療法】基礎療法+治療薬(症状によって非ステロイド性消炎鎮痛剤・抗リウマチ剤・副腎皮質ホルモン剤・生物学的製剤を使い分ける)
【手術療法】薬物療法でも関節破壊が進み痛みが続く場合の選択肢では、滑膜切除術や関節形成術、人工関節置換術、関節固定術がある
【装具療法】身体的機能を補う装具や自助具
■2003年の生物学的製剤発売で治療方法が劇的に進歩! 関節破壊の進行や変形を止めることも可能に。

関節リウマチの足の変形

【外反母趾】母趾の付け根の関節に滑膜炎が起き関節を破壊、変形。
【足底のたこ】外反母趾同様の原因で趾先が上に持ち上がることで、中足骨の末端に圧がかかり、たこができる。
【開帳足】軟部組織のゆるみで足底の横アーチが低下し、足底の荷重分布に異常。
【偏平足】足底の縦アーチの崩れで生じる変形。
【扁平三角状変形】外反母趾、内反小趾、第2~第4趾関節の背側脱臼、偏平足、開帳足が組み合わさって起こる変形。

リウマチ以外の手指の変形

関節リウマチと間違われるものに、第一関節に起こるへバーデン結節、第二関節に起こるブッシャー結節、親指の付け根に起こるCM関節症などがある。
 治療薬も開発され、早期治療で寛解される方が増えています。進行した方は関節痛の抑制を希望されますので、関節内注入で疼痛軽減を積極的に行っています。
リウマチ科部長 福居 顕宏 医師
【リウマチ科】日時:月曜午前、木曜午前、火曜午後 ※事前予約制

■問い合わせ/患者支援センター TEL.0742-35-2219
■取材協力/医療法人康仁会 西の京病院 TEL.0742-35-1122(メディカルプラザ薬師西の京事務局)奈良市六条町102-1
https://www.nishinokyo.or.jp/

*yomiっこ2020年7月号に掲載の情報です

基本情報 Basic Information
西の京病院/にしのきょうびょういん
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