〈精華町〉雨の日どこ行く!? 普段は入れない図書館の舞台裏へ潜入、「無料参観」を体験調査! 2023.3.30 みょ 奈良市からちょっと京都府側に入ったところにある国立国会図書館。東京の国会議事堂の隣と、けいはんな学研都市(京都府相楽郡精華町)の2か所にしかない「国立国会図書館」です。 「ちょっと敷居が高そう」と近隣に住みながらも利用したことがないという方が多いのでは?そういう私たちも『yomiっこ』を毎月同館へ献本しているものの、普段利用することはあまりありませんでした。 「それはもったいない!」と、一般の皆様にも気軽に利用していただければと、平日行われている「参観プログラム」を体験してきました。 国立国会図書館関西館の正面入口(1F) 雨の日にもってこい! 国立国会図書館の「参観」 国立国会図書館の利用は通常18歳以上ですが、この「参観」には子どもも一緒に参加できます。 参観申込は予約制で10時または14時30分開始の1日2回、70分のコースです。 職員さんが歩きながら建物の解説をしてくださり、普段は入ることができない書庫へも入れます。 いざ国立国会図書館関西館へ! 1階の来館者用入口から入ります。 このガラス張りの本館は地上4階、地下4階の建物で、約6万㎡の延床面積。 閲覧室や書庫などの約8割は地下に構成されているそうです。 春先からは青々とした芝生に まず目に止まるのは、本館の正面入口前に広がるのこぎり状の屋根。 周囲の豊かな自然に溶け込むように設計された芝生屋根は、北向きの面には芝生、南向きの面には光を乱反射する特殊なガラスを使用しているそう。 この地下一面に広がる閲覧室にやわらかい自然光が差し込みます。 ちなみに、奥の方に大きな芝刈り機が見えました。 面ごとに端から端まで刈ってくれるそう。 見学スタート!! 正面入口で受付をすましたら、担当の職員さんが迎えにきて、壁なのか扉なのか一瞬わからない部屋へ案内されビデオ鑑賞。 そして、外観模型を見ながらの解説からスタートです。 本館の設計は、建設省(現国土交通省)主催の国際コンペで最優秀作品に選ばれた陶器二三雄氏によるもの。 2002年に完成したガラスがふんだんに使われた建物で、スタイリッシュで洗練された空間設計が特徴的です。 1階エントランスから地下の閲覧室へ降りる大階段 地下1階の閲覧室へ 本館の地下1階には中庭が設けられ、東西両側の中庭を合わせると、約3,300㎡。 コナラやアラカシなど100本以上の樹木が植えられています。 閲覧室の入口の前には休憩スペースもあります。 デザイナーズチェアに座って中庭を眺めることができます。 関西館の閲覧室の広さは約4,500㎡ 12万冊の本や雑誌が集結&閲覧可能! 国立国会図書館は、東京本館、関西館、国際子ども図書館の3施設が一体となってサービスを提供しています。 1948年に設立されて以来、法律により国内で発行されたすべての出版物を国立国会図書館に納めることが義務付けられています。 日本だけでなく、アジアの資料も! 関西館地下1階の閲覧室は、総合閲覧室とアジア情報室から構成され、中央に総合案内・アジア情報案内が設置されています。 総合閲覧室には、事典、辞書、便覧及び抄録・索引誌など調査研究に必要な参考図書など約9万冊、アジア情報室にはアジア関係の図書、雑誌、新聞など約3万冊の資料が開架されているそうです。 日本だけでなくアジア諸国の新聞もありました。 アジアの情報が充実しているのも関西館の特徴です。 閲覧席は約360席で、机に置かれたPCでは蔵書検索やデジタル資料の閲覧、電子版データベースの利用が可能。 デジタル化された昔の雑誌を読んだりもできるんです。 通路スペースでは、テーマに沿ったミニ展示も行われています。 閲覧室以外にも、研究室も完備! 関西館では、調査研究に利用できる個室の研究室があります。 無料で利用が可能で、備え付けのPCやホワイトボード、Wifiも完備しています。 *総合カウンターで予約可能 続いて本館「書庫」へ! 「参観」では普段入ることのできない書庫も案内してくれます。 関西館本館は地下2階から地下4階が書庫になっていて、資料を保存するために最適な環境(温度22℃、湿度55%)に保たれています。 地下へ降りる前に、まずは靴カバーを装着します。 エレベーターを降りた先に広がる書庫は、なんだか映画に出てきそうな雰囲気。 サッカーコートと同じ広さがあるそうです。 地下2階〜3階に固定書架、地下4階には電動集密書架が設置されています。 本館書庫の北側にある自動書庫 自動書庫では、閲覧希望があった書物を機械が自動で運んできてくれます。 タイミングよく、資料が入ったコンテナが動いていました。 本館南側に令和2年新設の「書庫棟」 側面から見たら本のかたち!? 令和2年に新設された書庫棟は、地下1階、地上7階建の建物で、延床面積は約2万5000㎡だそう。 書架は手動ハンドル式の集密書架が採用されていて、固定棚には感震式の落下防止装置がついています。 震度4以上の揺れを感知すると安全バーが跳ね上がり、資料の落下を防ぐ構造です。 ハンドルのカラーは、南側は暖色系の黄色とピンクですが、北側の書架はブルー系。 広大な書庫内にいると、自分の位置がわからなくなってしまうので、スタッフのために南北で色の違いをつけているんだとか。 持ち込み可能なカフェテリアも完備! 開放的な緑の空間で食事を 本館の4階では、11時から13時半まで、うどんやカレー、丼物などが500円前後で販売されています。 営業時間外でも休憩スペースとして利用可能(9:30〜18:00)なので、お弁当や飲み物の持ち込みをしてゆっくりするのもよし♪ せっかくなので、登録利用者カードを作成しました 専用の紙に記入し受付へ持っていくと、空いていれば15分ほどで作れます。 このカードを持っていれば、閲覧室に入室でき、書庫の資料も閲覧可能。 見学と一緒に、ぜひ作ってくださいね♪ なんだか閉鎖的で近寄りがたい…と思っていた施設が、入ってみると開放的で居心地の良い空間が広がっていました。雨の日も安心で、無料で楽しく過ごせるのも魅力的。まずは、無料の「参観」から挑戦してみてくださいね♪ ▶︎関西館の「参観」について予約・空き状況の確認・お問い合わせ TEL:0774-98-1224(総務課総務係) 詳細はこちら ■国立国会図書館 関西館 とは? 国内外の図書、雑誌・新聞科学技術関連資料、アジア言語資料、博士論文、企画資料など約1,800万点を収蔵。 年々増加する図書館資料の収蔵保管のため、令和2年2月に第2期施設として書庫棟が完成、今後もあと2段階増築可能なスペースが確保されているそう。 館内では、それらの図書や資料の閲覧と複写・プリントアウトができるほか、自宅などでHPからの複写申し込みも可能です。