〈大和郡山市〉魔法のリノベーションで日々の暮らしが楽しい城下町に!/大和郡山まちづくり株式会社 大垣 満さん

奈良で活躍する“奈良もん”
今回は、空き家活用でまちづくりに取り組む「大和郡山まちづくり株式会社」の大垣 満さんをご紹介!

全国に約900万戸(※1)あるという空き家。大和郡山市でも2016年に1000戸を超え、市では2019年から遊休不動産を活用し、まちの再生を目指す「リノベーションまちづくり」の取り組みを郡山城下町エリアで始めている。

大垣さん(左)と妻の美咲さん/柳町フラットにて
現在、市と共にまちづくりに取り組むのが大和郡山まちづくり株式会社だ。2020年・21年に市が主催したリノベーションスクール(※2)をきっかけに設立された会社で、2021年からは市と連携協定を締結し、城下町エリアを中心とした空き家活用の事業を展開する
代表を務める大垣満さんは大和郡山市出身。京都の大学・大学院で建築や設計デザインを学び、東京・福岡の設計事務所在職中に同社を設立。奈良との多拠点活動を経た後独立し、妻の美咲さんと立ち上げたデザイン事務所と共に同社の運営も行う。
1号物件の「町家未来基地」は花屋と新聞販売所の2軒長屋をリノベーション
同社では不動産オーナーの紹介や相談から物件を借り受け、企画を立て、そこに適した人材や事業者をマッチングし、継続的な施設運営まで全てを担う。
一般的に空き家は、高齢となった所有者が高齢者施設や家族の家に転居したり、思い出が眠っていて手を加えたくなかったりなど様々な理由で所有者が手放さないまま放置されるケースが多い。預ける先が民間企業であることに抵抗を持つオーナーも少なくないが、連携協定による市の協力もあり、円滑な借り受けが進められているという。
4号物件の「柳町フラット」は旧歯科医院を活用
城下町エリアにある空き家は約60件(※3)。うち5つの物件を手掛け、5件目となるシェアアトリエ「オカマチ荘」は本年3月にオープンを予定している。
2025年3月開業のオカマチ荘(イメージ)
「ただ建物をデザインするだけでなく、周辺の環境も含めて、誰にどう使われるかを考え、町の特性に合った建物を企画している」と大垣さん。自身が幼少期から慣れ親しんだこの町はロードサイドで小商いをする個人店が多い。このことから、いずれの物件も飲食店や交流スペースなど、人と人とが直接顔を合わせて交流できる空間となっている。
「まずは今の形を継続することが一番。これまでの物件をモデルに色々な角度からアプローチして、日々の暮らしを楽しめる町にしていきたい」と大垣さん。
※1.「令和5年住宅・土地統計調査調査結果」(2023年,総務省統計局)
※2.まちに実在する遊休不動産を対象とし、エリア再生のためのビジネスプランを創り出す短期集中の実践型スクール。
※3.「空家等を活用したまちづくり事業計画書」(2019年,大和郡山市)
オカマチ荘ワークショップにて
基本情報 Basic Information
大和郡山まちづくり株式会社

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