〈奈良市〉“モジ”で繋がる魅力を伝える/『モジマトペ』加藤慎也さん

奈良で活躍する“奈良もん”
今回は、雑貨店『モジマトペ』店主・デザイナーの加藤慎也さんをご紹介!

奈良市もちいどのセンター街にある雑貨店「モジマトペ」。店には文字でかたどったかわいいデザインの雑貨が並ぶほか、自分の書いた文字やイラストで缶バッジやマグカップをつくるワークショップが体験できる。また店内でのコミュニケーションは全て“筆談”で行われるのも同店の面白い特長だ。

店を営むのは加藤慎也さん。デザイン業の傍ら合同会社mojicca(モジッカ)の共同代表として同店を経営するほか、各地で研修やワークショップなどを通じて筆談や手話の普及・周知活動を行う。
加藤さんが筆談に触れるようになったのは20代の頃。2歳の頃に高熱で右耳を失聴し、21歳で左耳も聴力が低下し始めた。それからコミュニケーションの壁にぶつかり徐々に筆談を使うようになったという。
筆談は聴覚障がい者が用いる印象を持つ人は多い。しかし障害を持たない人が使ってはいけないルールはなく、むしろ障がい者や健常者といった枠にとらわれない、シームレスなコミュニケーションツールとしての魅力がある。
「口での会話では聞き流すことや聞こえていないようなことも筆談であれば全て文字に残る。だからこそ伝える側は文字の大きさを変えたり時には絵を交えたりしながら、伝えるための工夫をし、受け取る側もその文字や絵から相手の意図や感情を汲み取ろうと努める。無意識に相手のことを考えてコミュニケーションを取るようになれるのが筆談のいいところだと思います」
今後については「まずは、お店や活動を目にした、耳にした人たちが『私も書いてみたい』と思わせるきっかけとして機能したい。そこから自然に私たちが触れずとも“伝えることの自由さ”が広がっていけばいいなと思います」と加藤さん。
思いや考えを具現化し、共有・共感しあうために生みだされた“文字”は長い歴史の中で姿かたちを変えながら「伝えるもの」として残されてきた。
携帯電話やソーシャルメディアが普及し文字を書く機会が失われつつある今日、改めて自らの手で思いを書き記す魅力に触れてみてはいかがだろうか。
基本情報 Basic Information
モジマトペ
  • 住所: 奈良市餅飯殿町45夢長屋N-D
  • 営業時間: 11:00〜17:00
  • 定休日: 金・土曜
  • 駐車場: 近隣に有料Pあり
  • SNS:

人気記事とあなたへのおすすめ