見たい!知りたい!『ならふしぎ』
奈良にまつわる不思議をお届け♪ 言い伝えや伝統、街かどのちょっとした疑問を解決したりしなかったり...。
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二月堂修二会はなぜ“お水取り”っていうのだろう?
3月1日~14日の2週間にわたって東大寺二月堂で行われる「修二会」は、奈良時代の天平勝宝4年(752)から一度も絶えることなく続き、本年で1274回目となる伝統行事。

写真提供:一般社団法人奈良県ビジターズビューロー/撮影:木村昭彦
そのうち「お水取り」は13日未明に行われる儀式で、練行衆と呼ばれる僧侶らが二月堂の麓にある井戸から“お香水”を汲み上げ、本尊の十一面観世音菩薩に供えるというもの。修二会全体を指して「お水取り」と呼ぶ人もいます。
お香水を汲み上げる井戸は「若狭井」といい、その昔、魚を採っていて二月堂への参集に遅れた若狭国(現在の福井県南部)の遠敷明神(おにゅうみょうじん)が二月堂のほとりに清水を湧き出させたといい、これを観音様に奉ったことが「お水取り」の由来であると『二月堂縁起』は伝えています。


井戸は現在、閼伽井屋(あかいや)という建物に覆われ、咒師(しゅし)と呼ばれる練行衆しかその姿を拝むことはできません。また水を湧かせた遠敷明神は「遠敷神社」に祀られ、飯道神社、興成神社と共に二月堂の鎮守として修二会を見守っています。
