〈宇陀市〉ご神体は“日本三大龍穴” 奈良の龍神パワースポット『室生龍穴神社』 2023.12.13 鮎 日本三大龍穴“妙吉祥龍穴”に龍神を祀るパワースポット 女人高野・室生寺から室生川を約1㎞さかのぼった場所に鎮座する室生龍穴神社。創建年代がわからないほど古く、神社の奥にある洞穴(龍穴)をご神体に降雨を司る龍神を祀る聖地として古来より信仰を集めてきました。 ご祭神は高龗神(たかおかみのかみ)。『日本書紀』に登場する神で山に降る雨を司ります。朱塗りの本殿は1671年に建てられた春日造。春日大社若宮の旧社殿が譲られた「春日移し」のひとつで県の文化財に指定されています。 本殿前に建つ拝殿はかつて室生寺の般若堂だった建物。1694年に第5代将軍徳川綱吉の母・桂昌院の援助によって同寺の伽藍修復が行われた際に移されたと伝わります。ちなみに室生寺は室生龍穴神社の神宮寺だったともいわれ、かつては「龍王寺」とも呼ばれていました。 正面には「善女龍王社」の扁額が掛かっていました。善女龍王も水や雨を司る龍王の一尊。高龗神の前に祀られていたんでしょうか…。仏教の中の龍王様なので近代の神仏分離にも関りがありそうですね! ご神体の“妙吉祥龍穴”は日本三大龍穴のひとつで、神社から林道を30分ほど歩いた渓谷の中に同社の奥宮として祀られています。 古来より祈雨・止雨祈願の霊地として崇敬を集めた龍穴は、奈良時代後期、山部親王(のちの桓武天皇)の病気平癒を成就させたことで、朝廷からも信仰を集め平安時代には勅使が送られ雨乞いの神事が営まれたこともあったそう。 善女龍王が棲むといわれる龍穴は遥拝所から直接拝むことができます。右手から龍穴の前を流れ落ちる「招雨瀑(しょううばく)」も岩肌を伝って流れ落ちる水が白龍のよう。本社と奥宮両方参拝して龍神様のパワーを授かりましょう!