2023.12.25 鮎 【奈良市】興福寺 ●こうふくじ 奈良時代開幕の象徴、よみがえる天平の風景 奈良のシンボル五重塔(国宝)を始め、阿修羅像など数多くの文化財が伝わる古刹。 669年に藤原鎌足の病気平癒のため、夫人の鏡大王が京都山科に建てた「山階寺」が始まり。710年、藤原不比等が平城京遷都の際に奈良へ移築し「興福寺」と改称。大火災に何度も見舞われるも復興を成し遂げた。 藤原氏の氏寺として寺勢を拡大、堂宇・伽藍が百数十棟、僧侶4,000人を擁した時代もあった。 天平の文化空間の再構成計画の下、2018年中金堂を復元し、2024年からは五重塔修理に着手。 12月31日23時30分 除夜の鐘 (南円堂・菩提院大御堂共に先着100人/整理券配布は23時〜) 1月1日〜7日 中金堂厨子入り吉祥天像ご開帳 1月2日10時 春日社参式 干支土鈴 700円 中金堂 興福寺中金堂 710年の創建後、興福寺伽藍の中心であった中金堂は7回の焼失、再建を繰り返し、1717年の焼失後は周囲1間を縮小した仮堂に。2010年から着工した再建工事が2018年10月に落慶を迎え、約300年ぶりにお披露目となった。66個ある礎石のうち64個は奈良時代創建当初のものであり、内陣に復元されたインド・中国・日本の計14人の祖師を描いた法相柱も見逃せない。 三重塔は高さ約19m、興福寺最古の建物 南円堂(西国三十三箇所第九番札所) 興福寺南円堂 藤原氏の氏寺・興福寺の一角にあり、西国三十三所第九番札所。813年、藤原冬嗣が父 内麻呂追善のために建立。本尊・不空羂索(けんさく)観音菩薩像は、年に一度の開扉日にしか会えないが、「不空」は、信ずれば必ず願いがかなうという意味で、手にする羂索(網や縄)で、人々を漏らすことなく救ってくださる。横手には願い事一つだけはOKという「一言観音」様のお堂がある。再建された中金堂や五重塔と共に、天平の昔を思い描いてみて。