〈葛城市〉二上山麓の森にポツンと立つ一本足の仏堂『傘堂』 2024.4.23 鮎 森にたたずむ藩主の菩提を弔うお堂 奈良県葛城市、當麻山口神社の参道脇にある『傘堂』。延宝2年(1674)に大和郡山藩主・本多政勝の菩提を弔うため、政勝の家臣でこの付近の郡奉行であった吉弘統家が建てたお堂です。一説では日光の三猿や眠り猫でも有名な江戸初期の名工・左甚五郎の作とも。 こう見えてもれっきとしたお堂で、心柱上部には阿弥陀如来が奉安されていて、軒には梵鐘も掛かっていたそう。現在は近隣にある石光寺がご本尊を、明圓寺が梵鐘を預かっています。 瓦には本多家の「本」の字が! かつて水不足に苦しむ農民のために大池の開削に尽力したことから現在でも地域住民からの信仰が厚く、同市新在家・染野・今在家の三か大字によって300年以上守り続けられてきました。 毎年八朔の日(9月1日)に近い9月の第一日曜日には三か大字の役員が集まり、傘堂の隣にある吉弘統家と藤懸玄達の墓前に本多政勝の位牌を据え法要が行われています。 吉弘統家(右)と藤懸玄達の墓碑 御朱印は石光寺で受けることができるので、當麻寺・石光寺へ参拝される際に合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。