2021.6.22 鮎 【奈良市】福智院 ●ふくちいん どんなお寺? 聖武天皇が勅願し、天平8年(736)に僧・玄昉によって創建された「清水寺」に由来すると伝わる寺院。鎌倉時代の建長6年(1254)に大乗院門跡の実信僧正によって再興、寺号を「福智院」に改称し、叡尊が再建したとされています。本堂(重文)は清水寺の経蔵を改築したものと伝わります。内陣には「天竺様(大仏様)」を用い、上下に高い空間を持ちます。また2階部分に見える箇所は裳階だと考えられています。 本堂〈重文〉 塀の軒丸瓦には「福智院」の文字 本尊の地蔵菩薩坐像(重文)は像高2.73mの大作で「地蔵大仏」とも称されます。像内の墨書などから建仁3年(1203)に福智庄(現・奈良市下狭川町付近)で造られ、本堂の建立と同時期に本尊として遷されたと考えられています。本堂内陣では柱を高い位置で継いでいることなどから、地蔵菩薩を安置するために建物を造り替えた可能性があるとされています。 大乗院門跡地蔵堂墓所 勝軍地蔵堂/かつては境内の四隅にあったと伝わる