富本銭特別展示「天武天皇と〈飛鳥・藤原〉の文化」
万葉文化館は飛鳥時代に金属、ガラス、玉製品などを生産した「飛鳥池工房遺跡」の場所に建っています。1998年の調査では「富本銭」と呼ばれる銅銭が大量に出土し、それまで最古とされた「和同開珎」(708年初鋳)に先行する天武天皇時代の貨幣であることがわかりました。当館では特別展示室を設けて様々な出土品の複製を展示してきました。
さて、2024年10月、久々に実物の富本銭が生産工房の地(万葉文化館)に帰ってきます。当館ではこれに合わせて、7世紀後半、天武天皇から持統天皇へと継承された〈飛鳥・藤原〉の文化を紹介する展覧会を開催します。
この時期の日本は大陸の制度を積極的に採り入れ、中央集権国家としての体制を整えていきました。文化面においても中国・朝鮮半島から新しい情報が伝わり、官立の仏教寺院が造られ、中国の条坊制を採用した都城「藤原京」が誕生しました。『万葉集』にもこの時代の人々の歌が残っています。
本展覧会では富本銭の特別展示とともに、天武天皇と関わりのある吉野や明日香地域に残る遺品や伝承、藤原宮跡の出土品、万葉歌や近代の「万葉日本画」もあわせて紹介し、飛鳥時代の人々に思いを馳せる機会にしたいと思います。
【関連イベント】
講演会①
「富本銭と飛鳥池工房」(講師:石橋 茂登 氏/奈良文化財研究所飛鳥資料館 学芸室長)
「飛鳥池遺跡と万葉集」(講師:井上 さやか 氏/万葉文化館 企画・研究係長)
- ■日時:2024年10月20日(日)14:00~16:00(開場13:30)
- ■定員:150名
- ■場所:万葉文化館 企画展示室
- ■締切:10月11日(金)
- ※事前申込制(定員を超えた場合は抽選)
講演会②
「〈飛鳥・藤原〉と東アジアの仏像」(講師:石松 日奈子 氏/万葉文化館 参与・東京国立博物館客員研究員)
- ■日時:2024年11月9日(土)14:00~15:30(開場13:30)
- ■定員:150名
- ■場所:万葉文化館 企画展示室
- ■締切:11月1日(金)
- ※事前申込制(定員を超えた場合は抽選)
ワークショップ
「富本銭をつくろう」
- ■日時:2024年11月2日(土)・3日(日・祝)10:30~12:00/13:30~15:00
- ■参加費:300円
- ■場所:万葉文化館 エントランス
ギャラリートーク
- ■日時:2024年10月20日(日)13:00~/10月23日(水)・11月27日(水)15:40~
- ■場所:万葉文化館 日本画展示室