終わりが見えない介護。介護負担が増加する中で一人で抱え込んでしまい、心身に不調をきたすことも。また、介護を高齢者が担う「老老介護」が増加。介護する人が孤立しないためにも地域や専門家の助けを得て介護サービスを上手に活用することが重要だ。介護をする人がゆとりを持てば介護される人の気持ちも楽にする。老後を穏やかに暮らせるように、ゆとりのある介護を。
頑張りすぎない介護の心得
*一人で頑張らない
*無理をしすぎない
*ストレスを溜めない
*今の環境を受け入れる
*気持ちを理解する
*笑顔を心がける
頑張りすぎない 介護のための アドバイス
「かさね奈良駅前」施設長 橋本啓子さん
介護サービスの利用で心身にゆとり、関係性を円滑に
プロに任せることで、介護する側・される側に適度な距離感ができ、ギクシャクしていた関係性が円滑になった(お互い優しく接する事ができる)方も多いです。

「はっぴーらいふ 奈良新大宮」施設長 川邨夫美子さん
重度の認知症の対応はプロに任せて
現状に合った在宅サービスや施設選び
介護休業制度の利用はまだまだ普及していませんし、介護保険での在宅サービスにも限界があります。入所施設にもそれぞれ特徴があるので、しっかり情報を集め、わからないことは専門職にも相談して、今の状況に適した在宅サービスや施設を選んでいくことで、「頑張りすぎない介護」を続けていただきたいと思います。

介護付有料老人ホーム「春日苑」ケアマネジャーさん
施設入居前の不安について
次に医療体制の質問が多いですね。看護師は常駐しているか、医師の往診体制についてなど。見学時には必ず、ご本人の病状とご家族の希望を聞いて、施設がどこまで対応できるかを説明します。

「サンライフグループ」居宅ケアマネジャー 山達さん、理事 國分さん
独り暮らし宅の見守り介護
在宅介護を受けている独り暮らしの方を孤立させない。毎日切れ目なく、地域で見守る仕組みが大切です。1週間のうち、デイサービスでの入浴が週2回。さらに週数回、訪問介護で身の回りの世話を。医療度の高い人は、往診医や訪問看護も。残りの空いた曜日は「配食弁当」の活用がおススメ。行政に登録している配食会社なら基本手渡しなので、本人の安否確認もできます。
一人で抱え込む人への不安解消
まずは部屋を掃除し、本人が生活できるように環境を整えます。その後、介護サービスを受けてもらいます。一人で抱え込まず、もっと早く地域の包括センターや行政、介護施設等へ相談してもらえればと思います。

「ベルライフグループ」相談員 大西理恵さん
短期入居の利用で老老介護を行う人をケア
有料老人ホームでは介護保険を使わない体験入居や短期利用・短期入居の受け入れも行っています。 様々なケースはありますが、介護疲れを緩和することを目的に、介護する側の高齢者に短期利用を提案することもあります。
