コロナ時代で、終活はどう変わった? ―お墓・供養編― 2020年、新型コロナウィルスが出現し、私たちの生活スタイルを大きく変えた。マスク、消毒液、換気、三密、外出自粛、休業休校、時短営業…etc。お墓や供養においても、コロナによって何か変化は起きたのだろうか? Topic1. 「お墓参り代行」が増えている お墓参り代行とは? お墓参り代行とは、自身の代わりに業者に墓参りを行ってもらうこと。遠方のため墓守りを頼める近親者がいない人や、体力に自信のない高齢者を中心に、ここ数年需要が増えている。さらに、新型コロナ流行後には、感染を防ぐ目的での依頼が増え、テレビや新聞でも報道されたことで、広く知られることとなった。代行の流れは、下記参照を。 高まるニーズ「問い合わせは増えています。具体的な内容、価格、距離が離れていても大丈夫か?など。近年の異常気象により、夏の炎天下でのお墓参りは、体力に自信のない高齢者にとっては過酷です」と語るのは、お墓のサポートセンター(奈良市)の池渕泰正さん。また、1年に数回依頼を受ける高齢女性とは、毎回いろいろな近況を話し合う仲に。近親者のいない高齢者にとっては、大切なコミュニケーションの場にもなっているようだ。 お墓に参るとは…「大切なのは、お墓に参る(代行依頼)ことで、私たちが何を得るか、心に何を浮かび上がらせるかです。私が今ここにいること、故人を思い出すこと、ご先祖様に感謝すること、自分の歩みを振り返るなど。その機会をお墓参りは与えてくれます。お墓参り代行は、あくまで代行。家族との絆を確かめる場としても、元気なうちはできる限り、ご自身で行かれるのが一番だと思います」と同氏。 お墓参り代行の流れ 1.電話で依頼相談を受付墓参希望の時期・場所などを確認。来店は基本不要。 2.お墓を下見に行く※お墓が荒れていたら、清掃やリフォームなどの提案も行う。※墓地のどのあたりにお墓があるのかを確認する。 3.指定日にお墓参りに行く・石塔をきれいにする・お花、線香を供える・墓石周辺の簡単な草取り・手を合わせる・お墓参りが終わったら、お墓を撮影する 4.依頼主へ、お墓参りの報告お墓参り時の写真を、請求書とともに郵送する 5.依頼主が、費用を振り込む価格帯:1万円~3万円ほど※お菓子などの供物も、要望があれば受け付けるが、墓参り終了後には必ず持ち帰り、処分となる。 Topic2. おうち供養のスタイル 仏壇は本来、ご本尊とご先祖を祀るところで、いわばお寺のミニチュア版。そして祖父母や両親、兄弟など身近な故人の冥福を祈り、心の対話を行う対象でもある。仏壇を家に置くのは、過去には長男など家を継ぐ人だったが、コロナ禍により、お墓が遠方だとなかなか訪れることも難しいのと、モダンな家具調の仏壇や手元供養などが増えたため、おうち供養でのスタイルが変わりつつある 形式にとらわれない 奈良市にある仏壇店、奈良山中大仏堂の谷野雅彦店長によると「皆さん、亡くなった人を祀るという気持ちはお持ちです。コロナ前からも、コンパクトな仏壇を求めたり、ミニ骨壺やロケットペンダントへの分骨などでの手元供養をなさったりする方が増えてきました。戒名ではなく俗名とか無宗派で祀られる方もおられます。今後も、よりプライベートな祈りと、形式にとらわれない供養のスタイルが広がっていくのでは。“キョリは遠くてもココロは近く”でありたいですね」と。 <レポート>リモートでお墓参り お盆の墓参りと仏壇へのお参りに、リモートを利用しました。お墓掃除から花やお菓子、飲み物を供えて、ローソクと線香に火を灯して、その画像をスマホで送り、関東にいる長男一家と一緒にお参りしました。お盆の夜も仏壇で同様に。息子たちからのお供えの画像も映し、お礼の意味も込めました(スタッフY) 【出典】奈良の情報誌「月刊yomiっこ」2020年11月号の記事を改編して掲載 永代供養を取り扱う施設 お墓のサポートセンター 光明山阿弥陀寺(みねのてら) 奈良中央墓園 一覧ページへ戻る