2021.10.18 鮎 【五條市】榮山寺 ●えいさんじ どんなお寺? 古くは前山寺(さきやまでら)と呼ばれ、藤原武智麻呂が養老3年(719)に開創しました。その後、武智麻呂を祖とした藤原南家の菩提寺として鎌倉時代まで栄えました。南北朝時代には南朝の行宮として、後村上・長慶・後亀山の三帝が滞在されました。 2つの国宝に注目 榮山寺で最も有名なのが八角円堂(国宝)。藤原武智麻呂の菩提を弔うために子の仲麻呂(恵美押勝)が建立したと伝えられています。天平宝字4年~8年(760~764)の建立と考えられており、平城京域や斑鳩以外の地域にある奈良時代建築として貴重な建築です。内部の天井や柱などには音声菩薩や飛天などの彩色絵画が残され、重要文化財に指定されています。もう一つの国宝・梵鐘には四面に菅原道真の撰、小野道風の書と伝わる陽鋳の銘文があります。銘文から延喜17年(917)の鋳成とわかり、神護寺(京都府)平等院(同)の鐘と共に「平安三絶の鐘」として知られています。 八角円堂