特別陳列『日本の伝統文化を知る 江戸時代のきもの』
2024年7月13日(土)〜8月25日(日)、奈良県立美術館にて特別陳列『日本の伝統文化を知る 江戸時代のきもの』が開催されます。
日本伝統の装い、 きもの ー今もなお見る人を魅了する美と技の世界
【展覧会の趣旨】
日本の民族衣装として認知され、礼服や晴れ着として着用されている「きもの」。きものは古くは「小袖」と呼ばれ、室町時代ごろに表着として定着して以来、日本における一般的な衣服として着られてきました。明治時代になって本格的に洋服が導入され、またそれが時代と共に普及しても、きものは日本の文化を象徴する衣装であり続けてきました。現在でも七五三や成人式といった節目では多くの人がきものを着ますし、夏祭りの夜にはゆかた姿で出かける人をしばしば見かけます。着る機会こそ少なくなりましたが、ある種の憧れと親しみを感じさせる、魅力的な衣服だと言ってよいでしょう。
そのような「きもの」ですが、分かっているようで説明できないことも多いのではないでしょうか。きものの前身である小袖はいつから存在し、どのような経緯で主要な衣服になったのか。形の上ではほとんど同じに見える「打掛(うちかけ)」「帷子(かたびら)」「単衣(ひとえ)」などは、どんな違いがあって呼び分けられるのかーこのような疑問をたどっていくと、日本の服装の歴史や、きものに関わる素材や技術の多様さを知ることができます。
本展では当館所蔵の吉川観方コレクションから江戸時代の女性のきものを中心に展示し、日本の伝統文化の一つである「きもの」の変遷を振り返ります。当時の技術と意匠によって生み出された豊かな服飾文化をお楽しみください。
【会期中の催し】
◆講演会 「江戸モード史を語る!唯一無二の奈良県美きものコレクション」
講師:小山弓弦葉 氏[東京国立博物館 調査研究課課長]
日時:7月21日(日)14:00~15: 30(開場 13:30)
会場:奈良県立美術館1Fレクチャールーム(60名・当日先着順・13:00から整理券配布)
◆美術講座「館所蔵の帷子を模造する―制作を通して見えたこと」
講師:飯島礼子[奈良県立美術館指導学芸員]
ゲストスピーカー:北本益弘 氏[(有)北本染芸]
日時:8月11日(日)14:00~15:30(開場 13:30)
会場:奈良県立美術館1Fレクチャールーム(60名・当日先着順)
◆担当学芸員によるギャラリートーク
日時:8月3日(土)・8月24日(土)14:00~(約1時間)
会場:奈良県立美術館 展示室
※いずれのイベントも参加には当日の観覧券が必要です。
【ギャラリー展示】
ギャラリー展示「奈良晒―麻から糸へ、糸から布へー」(入場無料)
[協力]月ヶ瀬奈良晒保存会
高級麻織物のひとつである奈良晒は奈良の名産として知られ、江戸時代には「麻の最上は南都なり」と評されたほどでした。のちに他産地との競合もあって生産規模は縮小していきましたが、生産を継続する努力が続けられ、1979(昭和54)年3月には「奈良晒の紡織技術」が奈良県無形文化財に指定されました。その伝統的な技術を伝承するため活動している月ヶ瀬奈良晒保存会による展示を1Fのギャラリーで開催。
◆糸づくり(苧績みと撚りかけ)の体験(7月28日(日)・8月18日(日))
※参加には当日の展覧会の観覧券が必要です。
…原料の麻の繊維を均等な細さに裂き、撚りつないで糸にする「苧績み」と、 経糸を作る工程の一つ、「撚りかけ」の作業を体験できます。
開催時間・定員・申し込み方法などの詳細は奈良県立美術館ホームページにてお知らせ 。
【基本情報】
会場:奈良県立美術館
期間:[前期]7月13日(土)~8月4日(日)
[後期]8月6日(火)~8月25日(日)
時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:每週月曜日、 7月16日(火)、 8月13日(火)(ただし7月15日、8月12日は開館)
料金:一般 600円、大・高生 400円、中・小生 200円
奈良県立美術館公式ホームページはこちらから